CA(客室乗務員)は異業種へ転職できるのか
CA(客室乗務員)は他の業界や職種へ転職するのが難しいと悩んでいないでしょうか。
「何か資格を取らないと新しい仕事は難しいだろうな」「CAは潰しがきかないと聞いたから不安」と思っている方が多いかもしれませんね。
しかし、CAで身につけたスキルや経験を活かして、全く異なる業界や職種に転職することは十分可能です。
CAの仕事を経験する中で、接客能力や柔軟な対応力など鍛え上げられているからです。
仕事内容が大変だからこそ、他の業界の採用担当者もその点を評価してくれるのです。
CA(客室乗務員)から異業種に転職する人は多いのか
CA(客室乗務員)の体力的な大変さ、不規則な生活リズム、職場の人間関係の難しさなどから、転職を検討する方が多くいらっしゃいます。
昨今の社会情勢や景気後退によって、CAからの転職を考える方はさらに多くなっています。
また、CAとして定年まで勤める方は少数派ですので今後のキャリアを考えておくことは、全てのCAにとって大切でしょう。
CAが転職を考える理由についてまとめました。
体力的な大変さ
華やかに見えるCAですが、体力勝負の仕事であることは間違いありません。
乗客の重い荷物を持ち上げる時や離陸や着陸の時の衝撃で体を痛める方もいらっしゃいます。
不規則な生活リズム
早朝便の場合は、午前2時や3時に起きることもあります。一方で、便によっては帰りが深夜になることもあるでしょう。
また、長距離便の場合はフライト先に泊まるため、長期間自宅に帰れないこともあります。
人間関係の難しさ
CAは、厳格な対応を求められるため上司が厳しいことも多いです。女性が多い環境ですので、同僚との関係に悩む方もいらっしゃいます。
2人以上集まると、つい何かしらの噂話や悪口を話しているという方は多いのではないでしょうか。
精神的ストレス
CAはお客様や同僚の命に関わる仕事です。適度に緊張感を持つことは大切ですが、ミスをしてしまった経験から過度なプレッシャーを抱える方もいます。
トラブルへの対処やクレーム対応なども精神がすり減ってしまう原因になります。
ライフイベントというきっかけ
中には、結婚を機に退職する方もいらっしゃるでしょう。
結婚後もCAを続ける場合、結婚相手との生活リズムを合わせるのは大変ですよね。
出産や子育てを経験していくことも考えて「より働きやすい職場を探したい」という需要が高いのです。
旅行業界の先行きが見えない
新型コロナウイルスの世界的な流行によって、航空業界は空前の不況にさらされています。
旅行者数の減少が一時的なものであればよいですが、いつ旅行の需要が復活するかは不透明なままです。
海外では、航空会社が国営化される事例も出てきており、CAを取り巻く環境が変わることは間違いないでしょう。
刺さる自己PRを書くために!CA(客室乗務員)が持っている強み
CA(客室乗務員)になる大半の方は学生時代からCAを目指していたので、CA以外のイメージが湧かないという方が多いようです。
「電話対応をしたこともビジネスメールを送ったことも無いからオフィスで働くイメージが湧かない」と不安を抱えている方もいるかもしれません。
しかしCAに限らず他の業界や職種に転職する全ての人が常に不安を抱えています。CAが自己PRに書ける強みを考えてみましょう。
接客スキル
あらゆる接客業の中でも、CAは特に懇切丁寧な接客スキルが身についています。気配りや細かいことに気づく能力はどんな業界でも役立ちます。
面接の時には、姿勢や所作が評価されることも少なくありません。
体力やバイタリティ
厳しい職場環境で働いてきた体力やバイタリティといった点も評価の対象です。
不規則な勤務体験、体力が必要な仕事内容をこなしてきた点は、評価アップに繋がることは間違いありません。
視野の広さ
転職してから気づく方が多いのは、CAが持つ視野の広さが想像以上に役立つということです。
ビジネスクラスであれば、10人以上のお客様を担当することがあると思います。そんな時は食事のスピードやお客様の特徴を頭に入れつつ接客する必要があることでしょう。
こうした能力が役立つ例の一つが営業の仕事です。
営業職でも複数の取引先を抱えることになりますので、それぞれの進捗状況を把握しつつ適切なアプローチをすることが必要です。
気配り
CAとして当たり前にやっていたことが他の方との差別化要因になることがあります。お客様への気配りとして、一筆添えたメッセージカードを送っているCAは多いと思います。
再び営業職での例となりますが、取引に対してメールだけではなく手書きで思いを伝えることや何気ない気遣いの一言が自然にできると差別化や信頼の獲得につながるのです。
メンタルが強い
CAは、一つのミスがお客様や同僚の命に関わる特殊な環境で働いています。
一般的な仕事では、誰かの命を預かっているという緊張感がないので精神的な余裕を感じることも少なくありません。
何か起きても冷静に対処できるという部分はどんな職種でも大切ですね。
CA(客室乗務員)が持っている弱み
もちろん、CA(客室乗務員)として働いてきた経験は良いことばかりではありません。
面接官が元CAに対して気になる点、心配する点をまとめました。
PCスキル、ITリテラシーの欠如
採用担当者が元CAの転職希望者に懸念していることの一つが、PCスキルやITリテラシーの欠如です。
社会に出てからPCにほとんど触れたことがないという方もいるかもしれません。
営業職や事務職であれば、要求されるPCスキルはそれほど高いものではありません。本やセミナーなどを利用してWordやExcelなどを使えるようにしておくとよいでしょう。
プライドの高さ
もちろん全ての人ではありませんが「CAはプライドが高い」というイメージを持っている採用担当者が一定数いらっしゃいます。
常に人の目にさらされていて高い美意識を持っているからこそ、自分をしっかり持っている方が多いのは事実かもしれません。
未経験の業界、職種に転職する場合は、教育することが難しそうと判断されてしまうと採用されにくくくなってしまいます。
実績を数値化しにくい
CAの方が履歴書や職務経歴書を書く際に困るのが、実績を数字で表せないという点です。
しかし、「CAの仕事に対してどう向き合ってきたか」「どのような工夫をしてきたか」「今までの経験を新しい職場でどう活かすことができるか」を説明することができれば、実績を数字で語る必要はありません。
CA(客室乗務員)からの転職では年齢を気にするべきか
やはり、20代の方が異業種に転職しやすいことは間違いありません。
30代以降の方は、航空業界に残ることも検討してみましょう。
年齢が高ければ高いほど、ある程度の給与を出す必要がある、一般的に年齢を重ねるほど教育がしづらい、などの傾向があるからです。
もちろん30代以降の方でも他の業界や職種への転職に成功されている方はたくさんいますので、これから書いてあることを読み進めつつ考えてみてください。
CA(客室乗務員)の方におすすめの転職先
CA(客室乗務員)が持つ強みを活かせるおすすめの転職をまとめました。
営業職
営業職は「お客様のちょっとした動作から何を望んでいるのか見極めて対応できる」というCAの顧客対応力を活かせる職種です。
営業職は未経験でもインセンティブ次第で高収入が狙える、というメリットがあります。
ビジネルマナーが身につくなどの点で、その後の転職につなげやすいという特徴もあります。
デメリットは、体力的に厳しいことやプレッシャーの大きさです。ただし、これらの点は業界や会社によって大きく異なります。
講師業
講師業の具体例として、社会人のマナー教室、新卒社員研修やCA希望者向けセミナーなどが挙げられます。
部下の指導経験やファーストクラスの担当経験などがあると有利ですので、CAとしてのキャリアが長い方に向いている職種です。
事務職
お客様に対するコミュニケーション能力やマナーが身についているため、受付対応や電話対応などすぐに対応できるようになる方が多いです。
ただし競争率が高く正社員での募集は少ないので、非正規や派遣社員として働き始める方も多いです。
正社員採用を目指すのであれば、資格を取得しましょう。
秘書
適切な身だしなみやマナーが求められるのが秘書ですので、秘書の求人ではCA経験者を優遇していることがあるほどです。
ビジネスクラスやファーストクラスでは社会的地位が高い方に接客するので、意外にもCAと似ている職種なのです。
接客業・受付
常にお客様を目の前にしておりミスができない環境で働いたCAの経験が役立ちます。
ただし、給与が低いことがデメリットです。
語学力が活かせる職
語学力があり、高いレベルでの接客スキルやマナーが身についている方は、外資系企業などでも需要があります。
また語学が特に得意な場合は、必要な知識を学んで通訳になる方もいらっしゃいます。
航空業界
転職のしやすさという点で、考えておきたいのが航空業界です。
また「他の業界や職種を考えみたけど、やっぱり航空や旅行に関わる仕事がしたい」という方は多いことでそう。
同じCAという職種でも、日系企業にいた方は外資系企業、外資系企業にいた方は日系企業に行くと、働く環境が大きく変わることがあります。
またCA以外にも、航空業界や旅行業界に関われる職業はたくさんあります。
空港やキャビンをイメージしてみると分かりやすいです。機内販売、免税店、機内食、航空物流など、それら全ての分野で様々な職種の方々が働いています。
CA(客室乗務員)が転職する時に伝えるべき転職理由、志望動機
転職者は、やむを得ない理由や前職に対する不満があるはずです。
そのため、転職理由は基本的にネガティブなものですが、それをいかに前向きな理由に言い換えるかが重要です。
前向きな転職理由は、一人ひとりの仕事への向かい方やキャリアプラン、性格や価値観から生まれてくるものでなので、うまく伝えるのは想像以上に難しいです。
一人で考えても採用担当者には魅力的なものではなかったり、紋切り型のありふれたものになってしまいがちです。
そのため、できれば転職に詳しい人を見つけて相談することが望ましいでしょう。
CA(客室乗務員)から転職なら転職エージェントの利用がおすすめ
CA(客室乗務員)が転職する際には、転職エージェントを活用することがおすすめです。その4つの理由をまとめました。
アピールポイントを考えてくれる
転職エージェントを利用すると、転職のプロである担当者があなたの転職をサポートしてくれます。
CAの強みを踏まえてアピールポイントを一緒に考えてくれます。
履歴書や面接のコツを教えてくれる
担当者が履歴書の添削やブラッシュアップ、志望企業を想定した模擬面接を行なってくれます。
履歴書や面接では、第三者目線でアドバイスをもらうことが大切なのはいうまでもないでしょう。
転職活動の負担が減る
転職活動で意外に大変なのが、応募に至るまでの事務的な作業です。
企業選び、履歴書の対策、企業との日程調整など複数社を並行して行うと負担は大きくなります。
特に今の仕事を続けている場合は十分に対策できないことも多いですが、そのまま面接の日を迎えてしまうのは非常にもったいないです。
ネット上にはない非公開求人を紹介してくれる
転職サイトには載っていないのに、転職エージェントだけが持っている求人があることをご存知でしょうか。
採用活動をする企業が求人を非公開にする理由は様々ですが、求人の詳細を他社に知られたくない、応募が過剰にならないようにコントロールしたいといった狙いがあります。
転職エージェントを利用して転職する方が覚えておくべきこと
転職エージェントは転職活動をする方にとって心強い存在ですが、担当者の力量には個人差があるというデメリットがあります。
もちろん実力のある転職エージェントを選べば優秀な方は多いですが、そうではない方に当たってしまうこともあります。
そのため複数の転職エージェントに登録して、自分にあった担当者と一緒に転職を進めていくことがおすすめです。求職者の利用は無料なので、実際に複数のエージェントを利用している方が多いです。
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幅広い職種での求人があり、一般的に業界未経験の若手で採用されやすい営業だけでなく、ここでおすすめしている事務職や秘書、受付などの職種での募集も多数あります。
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女性の転職に強い当記事の執筆者があなたが抱える転職の疑問に答えます。
CA(客室乗務員)の転職についていただいた質問
レイズキャリアでは、キャリアや転職に関する質問を受け付けております。CAの転職についていただいた質問とその回答をご紹介いたします。
CAの転職は早めが良いというのは本当でしょうか。
(20代女性)
航空会社内でも、クラス別責任者、先任客室乗務員、管理者といったポジションを目指してキャリアアップすることは可能です。ただし、30歳を過ぎてから未経験の業界への転職は苦労される方が多いです。航空会社内での昇進が難しそう、または将来的にその道に進む気がないのであれば、転職は早めが良いと言えるでしょう。
CAから事務所に転職したいのですがPCスキルなど何もないので資格を取るつもりです。おすすめの資格はありますか。
(30代女性)
事務系の資格としては、WordやExcelのスキルを示せるMOS、文書作成やデータ活用スキルを示せる日商PC2級、経理の知識があることを示せる日商簿記2級、ビジネスマナーや文書作成スキルが示せる秘書検定準1級などがおすすめです。医療事務や調剤事務など、安定して求人がある業界に絞って資格を取得するのも賢い戦略でしょう。
CAを辞めて転職した方はどんな点にメリットを感じるのでしょうか。
(20代女性)
CAからの転職で感じるメリットは、CA時代に大変だった点の裏返しですね。週末休みにより家族との時間が確保できるようになった、規則的な生活が送れるようになった、給与が上がった、将来性のある仕事に就けた、といった点にメリットを感じる方が多いです。
英語力を活かせる企業に転職したいと考えているのですが、どれくらいのレベルが要求されるのでしょうか。
(20代女性)
TOEICの場合、英語力があることを示せるのは600点以上と言われており、英語を日常的に使うポジションであれば700点以上、外資系企業であれば800点以上が要求されます。もちろん必要なのは語学力だけではないので、そのほか様々な点が考慮されます。