不動産営業はきつい?辞めたい方向けにホワイトな職場の選び方を解説

不動産営業はきつい?辞めたい方向けにホワイトな職場の選び方を解説

不動産営業がきつい5つの理由

不動産営業はきつい、辛いという方が多いことは事実ですが、具体的にどういった点がきついのか解説していきます。

不動産営業がきつい5つの理由

不動産営業は数字が全ての世界

不動産業界では、「営業マンにとって数字が全て」といった言い回しがよくされます。

それだけ不動産営業パーソンには日々プレッシャーがかけられているということでもあります。

怒鳴る、モノを殴る蹴る、といったパワハラを行う上司も少なくありません。

以前は情報の非対称性が大きく、いわば顧客に「買わせる」ことも難しくありませんでした。

しかし、近年はインターネットで不動産の知識を得ることも容易になっており購入検討者のリテラシーが上がり、売り込む難易度が高くなっていることも事実です。

不動産営業はノルマが達成できないと切られる

ノルマが達成できない月が続くと、いじめや無視などで退職に追い込もうとするケースもあります。

最初の数ヶ月で契約が取れず、見込みがないと思われてしまうと、質の良い顧客がのったリストを渡してもらえないといった扱いを受けるので挽回するのも難しくなります。

不動産業界の営業パーソンの全てが毎月ノルマを抱え、達成できない恐怖、プレッシャーと戦いながら過ごしているのです。

不動産営業は給与が低く労働時間が長い

不動産業界は、20代でも年収1,000万円が可能な業界としてよく名前が挙がります。

これは歩合給が大きいからこそ可能な年収であって、固定給が低いことの裏返しでもあります。固定給は手取りで10万円台ということも少なくありません。

向いている人であれば、労働時間に見合っただけの歩合が入りますが、そうでなければ長時間労働で低収入にならざるを得ません。

歩合給がある分、残業が考慮されない職場がほとんどで、終電まで働き、顧客に合わせて休日もアポを入れるといった経験がある方は多いでしょう。

不動産営業は売り込むことが精神的に辛い

不動産営業の最も主要な業務であり、最も大変なのが見込み客を見つけることです。

電話営業や飛び込み営業で、買ってくれそうな顧客を見つけるわけですが、アタックを膨大にこなさなければなりません。電話であれば1日200件、飛び込みであれば1日100件がノルマとして課されることもあります。

このような営業手法は、大抵の場合は顧客からうっとおしがられます。時には、怒鳴られることもあります。

こうした点における精神的な辛さは想像しやすいですが、割高な不動産をおすすめしなければならない点に申し訳無さを感じて辛い思いをする方も多いです。

いくら自分の成績や給与のためとはいえ、欠点を伝えないで物件をおすすめする、利回りがマイナスになりそうなマンション投資を進めるといったことを続けていると良心の呵責を覚える方がほとんどでしょう。

不動産営業は運の要素も大きい

不動産営業は、就職したタイミングや配属先など「運」の要素も大きく、それによりきつい思いをする方もいらっしゃいます。

建売住宅や投資用不動産の営業であればローンの借りやすさなど景気の影響が大きいです。

個人向け営業では、契約してもらった顧客から他の顧客を紹介してもらう、いわゆる芋づる式に契約が取れることも少なくありませんが、就職したタイミングが不景気だとそうした人脈を作るきっかけがないのです。

また、優秀な上司がいる配属エリアであれば良いですが、上司の指示が絶対という不動産業界の風習が裏目に出ることもあります。

結果が出ないやり方に自分も引きづられるということになってしまうのです。

不動産営業に向いている人が持つ4つの特徴

ここまで不動産業界のきつい理由を解説してきましたが、不動産業界に向いている人がいることも事実です。

不動産営業に向いている人

ストレスに強い

不動産の営業パーソンには体育会系の人が向いていると言われます。理不尽に耐えることができる、上司から詰められてもそれを糧にして頑張れる、何度断られても気にしないといった特徴が必要だからでしょう。

これらの特徴は総じて、ストレス耐性が強いと言い換えることもでき、不動産営業には不可欠な素質でしょう。

明確な目標がある

辛いことが多くある不動産営業では、将来の目標がないとなかなか続けられないでしょう。

「5年後までに独立したいから営業力を鍛える必要がある」「家族を養うために、年収800万円以上を稼ぎ続ける必要がある」「不動産投資を始めるために、その資金と知識を蓄える必要がある」といった目標です。

お金への執着が強い

不動産営業は、学歴や職歴が考慮されることは少ないので、様々なバックグラウンドを持った方がいます。

そんな中で結果を残している方に共通するのが「なんとしてでも稼ぎたい」というお金への執着の強さです。

ほとほどでいい、競争するのが苦手、といった方には向かない仕事です。

弁が立つ

不動産営業において嘘をつくのは良くありませんが、売り込む物件をよく見せるための工夫は不可欠です。

例えば、繁華街近辺の物件であれば「夜中もうるさそう」「治安が悪いのかな」と顧客は不安になるはずです。

しかし女性の顧客であれば「深夜も人通りがあるので、夜中に帰宅する際も安心です」とアピールすれば、物件の欠点を長所に変えることもできるのです。

このように、物件に良い印象を持ってもらうための口のうまさも不動産営業に向いている方の特徴の一つです。

営業の種類から選ぶホワイトな不動産営業

一口に不動産営業といっても様々な種類がありますので、その中からきつくない職場を選ぶことは可能です。

営業の種類から選ぶホワイトな不動産営業

法人営業を選ぶ

どの業界の営業職にも共通することですが、個人向け営業の方が法人向け営業よりもハードですがインセンティブも大きくなる傾向にあります。

個人向け不動産であれば数千万円の物件を多く売るのに対して、法人向け営業であれば数億、数十億円の物件を売るので営業パーソン間でも差が開きにくいです。

また、個人向け営業では、顧客が働いていないタイミングでアポを入れなければならないので夜遅い時間帯や休日にも対応が必要になる傾向にあります。

法人向け営業では、営業先の企業に合わせるので土日休みであることが多いです。

来店型営業を選ぶ

不動産営業においてもっともキツいのが、電話営業や飛び込み営業などの顧客開拓です。

そのため個人向けの営業でも来店型の営業であれば、精神的な負担は格段に小さくなります。

売買の仲介、投資用マンション営業、土地活用営業では飛び込み営業が多く、賃貸の仲介、新築分譲マンション営業では来店型営業が多い傾向にあります。

売買仲介を選ぶ

基本的には、月間の契約数が多くなれば、業務量も多くなる傾向にあります。

仲介業であれば、賃貸仲介よりも売買仲介を選ぶべきということになります。

例えば、個人向け賃貸仲介であれば数万円の利益しか上がらないのでノルマの件数も多くなります。

一方で、売買の仲介手数料は一回の取引で数百万円に上ることはザラにあるので、対応する顧客の数は少なくなります。

大手企業を選ぶ

財閥系などの大手不動産企業では、基本給が高く歩合率が低いことが一般的です。

また、数億単位の物件の仕入れをしている、不動産業以外に収益事業があるといった場合には、自分の部署には無茶なノルマが課されない傾向にあります。

こうした資本力は、社員の労働環境に影響を及ぼします。

一方で、中小企業では歩合率が高い代わりに基本給が10万円台に設定されていることもあります。

毎月一定の契約数を取ることが会社の存続に関わるので、社員へのプレッシャーもそれ相応のものとなります。

会社の特徴から選ぶホワイトな不動産営業

営業の種類だけではなく、会社の特徴によっても辛さ、きつさは左右されます。

会社の特徴から選ぶホワイトな不動産営業

女性社員が多い

不動産業界には古い社風で、厳しい指導が行われている会社も少なくありません。

男性社員ばかりの会社よりは、女性社員が多くいる会社の方が社風が穏やかになる傾向があることは事実で、精神的な辛さが軽減される傾向にあると言えます。

事務職の女性社員だけではなく、営業職にも一定の割合で女性社員がいるとより穏やかな社風になりやすいです。

固定給が高い

「20代で年収1,000万円以上の社員もいます」とアピールする会社もありますが、あくまでも歩合を含めた数字です。

しかし、固定給が低ければ自分が獲得する契約数で給与を上乗せしていかなければならないので、労働時間は長くなる傾向にあります。

労働時間が長い年収1,000万円よりも、固定給が高くて労働時間が短い年収600万円の方が合っている人も多いでしょう。

転職前にはどうしても歩合率の高さを重視してしまいがちですが、歩合率と固定給のバランスを大切にしてください。

IT化が進んでいる

不動産業界は古いとしばしば言われますが、その中でも新しい技術を取り入れている会社を選ぶことがおすすめです。

テレアポや飛び込みなどプッシュ型の営業手法がメインだとそれぞれの営業パーソンにかかる負担が大きくなります。

一方でインターネット広告などを活用したプル型の営業手法であれば、不動産取引に興味がある方だけに対応すればよいので精神的な負担は格段に小さくなります。

転職するべきか悩む方は数年後にキャリアアップできているか考えましょう

不動産営業に向かない人がズルズルと続けていても、数年後に状況が好転することは考えにくいです。

「営業成績が上がるイメージが湧かない」「このまま続けても昇進できそうにない」といった方は転職を検討しましょう。

最低3年は続けるべきといった意見もありますが、向いていないのであれば他の職種や業界で少しでも早く経験を積み始めた方がメリットが大きいです。

不動産営業からどこに転職するべきか悩む方へ

年齢別のおすすめの転職先、転職に成功するコツを解説します。

不動産営業からどこに転職するべきか悩む方へ

25歳前後であれば他の業界もあり

転職業界では、就労3年以下または25歳以下の方は「第二新卒」として扱われます。

新卒とほぼ同じような条件、つまりこれまでの経験や実績よりも今後見込みがあるか判断する未経験でも若ければ採用してくれる、ということです。

25歳前後までの年齢で不動産営業に向いていないと判断したのであれば、転職先に幅広い選択肢があります。

法人営業または無形商材の営業を選ぶ

不動産営業に似ている営業職としては、保険営業やカーディーラーの営業が挙げられますが、どちらも働き方や社風は不動産業界に似ています。

不動産営業に不満があった方が転職しても不満が解消されるとは考えにくいでしょう。

営業を続けつつ働く環境を変えたいのであれば、正反対の特徴をもった営業職を選んでみましょう。

例えば投資用マンション不動産営業であれば個人向け有形商材の営業なので、法人向け無形商材の営業を選ぶとよいでしょう。具体的には、人材紹介会社の営業、インターネット広告の営業などです。

こうした営業職は、未経験でも採用されやすい一方で、専門知識が身につくのでキャリアアップしやすい傾向にあります。

法人相手の営業では、動く金額も大きいので成約のハードルも高いですが、その分ニーズを聞く力や提案力が身につきます。

30歳以上であれば業界内での転職が無難

一方で30歳を超えると他の業界に転職するハードルは上がります。

どの業界でも即戦力を求められる年齢なので、前職で目立つ実績がある、転職先でも活かせる経験やスキルがあるといった方でないと他の業界への転職は難しくなります。

仮に転職しておいても、減給を覚悟しておくべきでしょう。

30歳以上の方であれば、不動産業界内で転職することが無難です。

不動産業界で営業以外の仕事を選ぶ

「不動産業界で転職したいけどノルマに追われる日々から脱したい」という方は、営業以外の職種に就くことを考えるとよいでしょう。

例として挙げられるのが、不動産管理会社の社員です。

不動産管理会社は、一度契約を結んだ後は毎月管理費をもらうビジネスモデルなので、社員のほとんどが管理業務に当たることになります。

トラブルの発生時以外のほとんどがルーティン業務なので、不動産営業で培った知識を活かしつつゆとりを持って働くことができます。

転職エージェントに相談してみる

不動産営業できつい思いをした方であれば、条件の良い会社を選ぶ自信がない方も多いと思います。

そのため、在職中から早めに情報収集を始めておくためにも、転職エージェントに相談することがおすすめです。

転職することが決まっていない方も同じで、どんな求人があるのか知ることによって今の会社が良いのか、働き続けるべきなのか判断することができます。

不動産営業についていただいた質問

レイズキャリアでは、キャリアや転職に関する質問を受け付けております。その中から不動産営業についての質問と回答をご紹介させていただきます。

投資用マンション営業に転職を考えていて「ノルマなし」といった条件を提示されているのですが、ノルマなしはあり得るのでしょうか。
(20代男性)

不動産営業の中でもきついという方が多い投資用マンション営業において、ノルマなしというのは考えにくいです。「ノルマ」という言葉を使っていなくても部署ごとに「目標」が設定されていて、達成するまで叱咤激励が飛ぶ、終業時間や休日も関係なく営業を続けるというケースもあるようです。

用地仕入れの営業を考えているのですが、大変でしょうか。
(30代男性)

用地仕入れの営業は、仲介会社の営業とのコミュニケーション、人脈づくりが大切になります。良い条件の契約は、仲介会社から紹介してもらうケースが多いためです。自社で物件を取得して、リスクを取って計画を実行していくという点で主体性があり、やりがいを感じることができるでしょう。一方で調査が効率的にできない、良い人脈が形成できないといった状況だと長時間労働になりがちです。

不動産営業という職業に将来性はあるのでしょうか。
(30代男性)

一つとして同じ条件の不動産はありません。そのためAIなどの技術的進歩による不動産営業の仕事内容に変化があっても、仕事自体が無くなることは考えにくいです。今後日本の人口は徐々に減少していきますが、住居やオフィスに対する需要が急になるなるわけではないので業界全体の市場規模も比較的安定しています。

不動産営業の中でも住宅の賃貸営業は比較的楽と聞いたのですが、本当でしょうか。
(20代男性)

住宅の賃貸営業は、賃貸物件のポータルサイトを見て問い合わせがあった方に対して営業をして、物件の候補を絞り内見して、契約成立という流れになります。カウンター営業なので、テレアポや飛び込みがない点で比較的楽という方が多いです。

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