声優人気の今、声優になりたい人が増えています!
スマホの普及でゲーム人口が増加し、フルボイスのゲームが当たり前の時代になりました。さらにアニメブームも到来していて、1クールあたり約75本ものアニメが放送されています。TV以外にもネット配信というテレビの放送枠に縛られないアニメ放送が増えた事情もあります。
こうした状況で、キャラクターに声を当てる声優の仕事は増え、声優名鑑には約1,000人もの名前が登録されています。しかし、同時期に何本も担当できる都合上、一部の人気声優に仕事が集中して、声優の仕事だけで生活できる人は300人程度と言われ、声優として働くのは難しい現実があります。
声優の平均年収はどれくらいか
声優の平均年収(赤)は、20代が約144万円、30代が約204万円、40代が約264万円となっています。ちなみに日本の正社員の平均年収(青)は、20代が約390万円、30代が約600万円、40代が約700万円ですから現実は厳しいです……しかし、この年収を稼ぐにも大変な努力が必要です。
年収144万円の生活ってどんな感じ?
20代声優の平均年収である年収144万円とはどんな暮らしだと思いますか?まず交通費を抑えるために東京都内に住む必要があります。
東京で一人暮らしをすると、最低でも家賃は6万円です。これに食費3万円、光熱費1万円、交通費や通信費3万円、と考えると月に13万円はかかるという計算になります。年収144万円ということは、月収12万円……赤字です。
実際には声優の仕事だけではなくアルバイトもしていますから赤字にはなりませんが、何か買い物をするにも神経をすり減らしてしまいます。バイトをしてもせいぜい月収5万円ほどでしょうから、家具や家電を買うにも貯金しなくてはいけません。
同世代が将来のために余裕を持って貯金する一方で、フリーター同様その日暮らしの生活ですから、プライドを捨てたかなりの我慢が必要です。
ここからは声優の給料形態について紹介します。
アニメの出演料
アニメ声優の場合、デビューしたての新人の出演料は1本約15,000円で統一されていて、中堅、ベテランになると約45,000円になります。20年以上のキャリアをもつ大御所ともなると、それ以上の出演料になることもあるそうです。
ゲームやアプリの給料
ゲームのボイスだと文字数ベースで給料が決まり、1文字30~250円が相場とされています。超人気廃課金ゲームFGOの場合だと文字数が多いからか、ボイス収録の拘束時間で決まるようです。
Fate/Grand Orderやグランブルーファンタジーのように予算があれば人気声優ばかりが担当、ということにもなりますが、初期の艦これのように予算が限定されているゲームだと、若手声優の演じるチャンスが多くなる仕事になります。
声優ラジオパーソナリティの出演料
30分番組の場合5,000~15,000円とかなり安めになっています。声優の個人名が入った冠番組だと高くなりそうなイメージがありますが、宣伝効果込みでギャラを設定していると考えると妥当でしょう。かくいう筆者もラジオから沼っていった口だったりします(笑)
主な放送媒体はアニメに強いニコ生、超A&G、音泉、文化放送で、近年では公式YouTubeでアーカイブを公開するようにもなっています。若手からベテランまで幅広く活躍する仕事と言えるでしょう。
ナレーションの給料
10年以上キャリアを積むとTV番組のナレーションを任されることもあります。ナレーションの仕事は完全歩合制で、10~50万円が目安です。単発のアニメ特集などで担当することもあり、ZIP!やアド街ック天国でよく起用されています。
地上波番組の有名ナレーション担当としては、報道ステーションの沢城みゆきさん、青空レストランの水樹奈々さん、嵐にしやがれやすべらない話の若本規夫さんが挙がります。
知名度の高さや、世間的なイメージで決まるベテランの仕事です。
声優になる前に、専門学校の闇について
声優になるために専門学校に通う方はたくさんいます。専門学生60万人のうち、声優科を含んだ文化系の学生は12万人と大変な数に上ります。毎年入学して卒業するわけで、声優志望者が30万人いるのも納得だと思います。
声優志望者と言っても、本気で目指していない人も混ざっているのが実際のところです。高い志を持って声優の専門学校に入学したけれど、周りは遊んでばっかり……。具体的に良くない専門学校の特徴を挙げてみましょう。
まずは良くない専門学校にいる良くない生徒の特長を挙げてみます。言いすぎじゃないかと感じるあなたは甘いです。
同性声優の研究をしていない、声優に会いたいから、パッとしない陰キャオタク、受身で上手くいくと思っている生徒が集まります。上級生だからと言って高い技能を持つわけでもなく、ただ専門学校に通っているだけでは何の成長も得られません。
公募制のオーディションを受けなければ、声優として働ける確率は0%です。そのため、積極性や主体的に授業や課題に取り組む姿勢は必要不可欠と言えます。就職しないし、手に職をつけるつもりもないし、大学には行けないという子どもの集まりにいても仕事はもらえません。現実を見ましょう。
生徒以外にも良くない専門学校には特徴があります。講師は気に入った指導をしやすい生徒を中心にアドバイスし、追加授業料が頻繁にかかることも。これでは不公平ですし、いくらお金があっても足りませんね。
良くない専門学校の闇について見てきましたが、良い専門学校もあります。一つの例として挙げられるのが、ヒューマンアカデミーです。ヒューマンアカデミーは年間350回以上の事務所オーディションを開催しています。
つまり声優プロダクションに所属するチャンスが毎日のようにあることになります。通常の就活で平均55社エントリーして1~2社内定をもらうことを踏まえても、かなり多くの機会が与えられているといえるでしょう。
そのオーディションに向けてレッスンや練習を頑張り、審査員からは評価シートでフィードバックを受けることができます!弱点を克服し、長所をアピールすることができれば実力を認められる日も近いでしょう。
声優という職業の現実、闇
声優をキラキラした、憧れの職業として目指す方が多くいる一方で目を背けてはいけないのが業界の闇です。特にTwitterで頻繁に炎上が起こり、その悪評が広まってしまうと2chのまとめサイトや知恵袋に残り続け、仕事が無くなる恐れさえあります。
公式の場での不用意な発言が元でファンを失い、そのまま引退ということもあり得ます。これは声優本人に責任がある場合ですが、何の責任もないのに批判を受ける場合もあります。
ファンの心無いリプライにTwitterを辞めざるを得なくなった声優として、上坂すみれさんや田村ゆかりさんがいます。
最近では特定の声優に関する画像を使ったいわれのない熱愛疑惑や、二股疑惑などで攻撃されることも起こっています。事務所が声優を守れるか守れないかという点も、事務所を評価する上で大切なことないでしょうか。
プロとして声優を目指すのであれば、SNSの使い方や自分の発言に影響力がある事をデビュー前から自覚する必要がありそうです。
声優志望の方からいただいた質問
レイズキャリアでは、声優に関する質問を常に受け付けています。親や友達以外に質問や相談したいことがあればお気軽に問い合わせください。ここでは声優に関していただいた質問とその回答をご紹介いたします。
声優志望の中学生なのですが、何かしておいた方がいいことはありますか?
(10代女性)
声優の養成所は高校生以上なので、声優専門学校や声優養成所に入る前にしておくと良いこと、ということですね。まずは日頃からハキハキと大きな声で話すようにしてください。声の大きさと滑舌が良ければ、抑揚や感情をつけるように意識する余裕ができます。これは声優専門学校や声優養成所での基礎レッスンでもやるので、早くからやっておくと良いでしょう。
声優を目指す活動と両立しやすい仕事について教えてください。
(10代男性)
なかなかなれない声優を目指す以上、なれなかった時のことも考えるのは重要です。声優になるための活動には、レッスンとオーディションがあります。レッスンは平日や土日の夜に受け、オーディションは土日に受けるので平日の日中に働ける仕事がいいですね。具体的にはカフェやコンビニといった接客業です。シフトに融通が利く仕事が両立に向いています。他には安定していて決まった時間に帰れる公務員もおすすめです。
地方に住んでいて上京は難しいのですが、やはり地方で声優を目指すのは難しいでしょうか?
(20代女性)
地域格差は確かにありますし、気になるところだと思います。声優事務所の数やオーディションの回数は東京が一番です。ただ地方でも日本ナレーション演技研究所やヒューマンアカデミーには通うことができます。学内で声優事務所のオーディションが開催されますから、上京の必要も無くデビューも可能です。
声優志望の社会人ですが、仕事を辞めるか迷っています。続けたほうがいいのでしょうか?
(20代男性)
どのようなお仕事かにもよりますが、オーディションに参加できるのであれば辞める必要はありません。レッスンに支障をきたすなら、転職してフレックスタイム制で働くことをおすすめします。