フリーターが悪いわけではありません
結論から言えばフリーター自体が悪いわけではありません。
誰にも迷惑をかけないで、生活費を自分で稼いでいるのであれば、あなたに文句を言う権利は誰にもありません。
ではフリーターの何が悪いのか。なぜ周囲の人はいろいろ口出しをしてくるのでしょうか。
「フリーターは将来の自分を苦しめている」から悪い
フリーターが悪いと言われる理由は、目的のないフリーターは自分の将来から現実逃避していると思われがちだからです。
他人に迷惑をかけているから悪いのではなく、自分を苦しめることになるから悪いと思われているのです。
中には自由や責任のない気楽さを羨ましがって嫌味を言う人もいるかもしれません。
ただ基本的には周囲の人が意見や文句を言うのは、あなたがフリーターが続けることを心配しているからです。
そうはいっても「自分の人生だから放っといてほしい」という方が多いと思います。
フリーターの実態、現実について見ていきましょう。
問題があるのはどのタイプ?フリーターを3つのタイプ別に考える
フリーターのタイプは大きく3つに分類できます。それぞれ多い順番に、無目的タイプ、就活中タイプ、夢追いタイプとなります。
無目的タイプ
無目的タイプは、高校や大学を卒業または中退した後に、進路が決まらないまま目的もなくフリーターを続けているタイプです。
一旦は就職したものの何らかの理由で離職してフリーターになってしまった方も含みます。
フリーターの気楽さや自由さに魅力を感じていることで、フリーターであることをなんとなく良しとしている傾向があります。
ただし、最も注意すべきなのがこのタイプです。
後述するように、フリーターとして余裕がある生活を一生続けることは不可能だからです。
就活中タイプ
正社員を目指して就活をしているのが就活中タイプです。
周りにも、フリーターを続けていると思ったのにいつのまにか正社員になっていた人がいるのではないでしょうか。
フリーターを続けているうちにそのデメリットに気づく方、将来を真面目に考え出す方が多いのです。
夢追いタイプ
夢追いタイプは、俳優やアーティスト、スポーツ選手などの夢を追っていて、生活費を稼ぐためにフリーターを続けています。
20代前半の方が多く、それ以上の年齢になると激減するのが特徴です。
夢を追うといっても年齢の限界がありますから、ある時点で区切りを付けて正社員への就職活動を始めることになります。
その他
3つのタイプに当てはまらない方は、大学受験の浪人生でアルバイトをしている方、数ヶ月先に就職するまでの間、一時的にフリーターをしている方などになります。
フリーターの人口が多いといっても、一時的にフリーターという身分になっているだけ、という方が一定数を占めています。
それぞれのタイプの割合は?
レイズキャリアでは、2020年8月にフリーターの方100人にアンケートを実施しました。詳しくは以下の記事をご覧ください。
フリーターからの正社員就職で必要な7つのこと!体験談も紹介します
このアンケートでは、無目的タイプ、就活中タイプ、夢追いタイプがそれぞれ、4.5割、3割、1割となっていることが分かります。
フリーターというと夢を追いかけている若者をイメージする方も多いかもしれませんが、実際には成り行きでフリーターになってしまう方、明確な理由はなくフリーターを続けてしまう方が多いのです。
フリーターの何が悪いのか
ここまで読んでいただいて分かるようにフリーターで問題があるのは、無目的タイプとしてフリーターを続けているあなたです。
この記事は、フリーターの方を煽るためのものではありません。
フリーターを続けるのが損しかないこと、一歩踏み出せば安定していて楽な生活が送れる(=正社員になれる)ことを伝えたくて執筆しています。
収入は不安定で、次第に減っていく
フリーターの方は「今の収入があれば十分生活できる」と考えてしまいがちです。
しかし、フリーターの平均給与は40歳ごろを境に減少していきます。
アルバイトでは、なんらかの技術が身につくわけではないので体力のある若者の方が有利です。
40歳を過ぎれば夜勤に入れなくなりますし、接客を筆頭にしてあらゆる職場で敬遠されやすくなります。
働きたくても働けないという状況に陥り、年々給与は減っていくのです。
働く場所がなくなる可能性が高い
アルバイトで任される仕事は、数日で覚えられるような単純作業です。
こうしたアルバイトの業務内容は、他の人に代替可能というだけではなく、将来は機械やAIに奪われる可能性が高いです。
オックスフォード大学のオズボーン教授の試算によると、非正規雇用に多いレジ打ち、飲食店のホール、電話オペレーター、データ入力などの仕事は今後10〜20年で90%以上の確率でコンピューターやロボットに奪われるとしています。
小売店ではセルフレジが増え、飲食店でもタブレットによる注文が普及し、自動音声やチャットによる顧客対応が広まっていることをふまえると、現実味がある予測と言えるでしょう。
今している仕事をいつまで続けられるのか、必要なくなったらすぐ解雇されてしまう非正規労働者として働き続けるべきなのか考えたいところです。
フリーターを続けるとどんな末路が待っているのかは、以下の記事で解説しています。
フリーターが悲惨な末路に至る6ステップ!体験談、抜け出す方法も紹介
正社員との格差が大きい
フリーターと正社員の生涯年収の差が1億円以上になることはよく知られています。
例えば、高校卒業後に非正規で働き続けた男性の生涯賃金は1億3,000万円となりますが、正社員として働き続けた男性の生涯賃金は2億5,000万円となります。
フリーターの給与や信用では結婚やマイホーム購入ができないだけではなく、外食や旅行などのちょっとした贅沢さえできない人生となります。
それだけではなく、保険や年金といった面でも正社員との格差は大きいのです。
正社員の場合、健康保険や厚生年金といった社会保険は、会社が半分負担してくれます。
月給20万円の社員ですと月およそ3万円は会社が負担しています。なおかつ、正社員は将来受け取る年金の額が多くなります。
また労働保険により、怪我や病気になった時と失業した時の保障があるため、正社員は働けなくなった時にも食べるのに困ることがない仕組みになっているのです。
正社員就職が1年遅れると数百万円損している
年功序列が崩れつつあるといっても、日本では多くの企業で勤続年数を重ねるほど年収が上がっていきます。一般的には、50代前半で年収がピークを迎えます。
これは正社員としての就職が遅れれば遅れるほど、昇給する年数が少なくなることを意味します。
50代の場合、大企業であれば年収1,000万円ほど、中小企業でも年収700万円前後は十分狙えます。
つまり、中小企業に就職することを考えても、正社員になることが1年遅れれば700万円の損です。極端なことを言えば、正社員になるのが1日遅いだけで約2万円損する計算になります。
年齢を重ねれば正社員就職が難しくなることはもちろんですが、就職活動を始めるが遅れるとこれだけのデメリットがあるのです。
現実から目を背けている
確固たる理由がないのに、何かしらの理由を付けてフリーターを続けて「フリーターの何が悪いの?」と考えている方は現実から目を背けています。
人間は「このまま楽をしたい」「現状を変えたくない」という強い気持ちが働く生き物です。
これを心理学で現状維持バイアスと言います。
この記事に沿って考えてみると、今フリーターをしている方は、一歩踏み出して正社員になった方が良いに決まっているのに、フリーターのままの生活をとても魅力的に感じてしまう、ということです。
フリーターの何が悪いのか分かった方へ
「フリーターのままでいい」という現状維持バイアスを取り払って行動するのは、とても大変です。
だからこそ、レイズキャリアでは転職エージェントなど他人の力を借りることをおすすめしています。
フリーター向け転職エージェントとは
転職エージェントというと、少し敷居が高く感じれるかもしれません。
確かに普通の転職エージェントであれば「今までの経験が活かせる転職先はここですね」「キャリアプランを考えるとこの会社がいいかもしれません」といったイメージで転職活動を進めていくので、フリーターの方には合わないことも多いです。
そのため、フリーターの方にはフリーター向け転職エージェントがおすすめです。
フリーター向け転職エージェントには、以下のような特徴があります。
- 和やかな雰囲気でのカウンセリング
- 私服で気軽に行ける
- やりたい仕事がない方も大丈夫
- 経歴よりも、人柄や性格を重視
- 中卒、高卒、大学中退などの学歴でも紹介可能な求人を保有
- 離職率が高いきつい仕事は紹介しない
無料で利用できるので、「働く決心がついていないけど、どのような正社員求人があるのか見てみる」といった使い方でもよいでしょう。
フリーター歴が長い方におすすめの転職エージェント
フリーター向け転職エージェントの中でも、担当者の対応が丁寧で、優良企業の紹介が得意な会社をご紹介します。
もしあなたが20代なら絶対におすすめしたいのがリクルートが運営する正社員転職支援サービス「就職Shop」です。
一般的に業界未経験の若手で採用されやすい営業だけでなく、受付や事務、経理などの職種での募集も多数あります。
今現在フリーターで正社員の経験はないけれど、正社員採用を目指している20代の方には絶対に登録して頂きたいサービスです。
今なら自宅から無料でオンライン面談を受付中なので、ぜひこの機会に相談してみてください。
フリーターに関する悩みについていただいた質問
レイズキャリアでは、キャリアや転職に関する質問を受け付けております。その中からフリーターに関する質問と回答をご紹介させていただきます。
大学を中退してフリーターをしていますが、周りの友人たちは社会人として働き始めました。以前は仲が良かったのに、ここ最近になってから「どうせフリーターだろ」「そろそろ就職したら?」と言われるようになり、徐々に疎遠になってしまいました。社会人になると、フリーターの友達とは付き合いたくなくなったり、縁を切りたくなったりするものでしょうか。
(20代男性)
質問者様の個別の事情に関しては分かりかねますが、一般的によく起こる事例をもとに回答させていただきます。フリーターを続けている方に対して、周囲の方が思うのは「なぜ将来を心配せずに生きていられるのだろう」「喋る話題や金銭感覚が合わない」「価値観が合わなくて何を考えているのか分からない」といったことです。距離を置きたいというよりも、距離を置いた方がお互いのためだといった心情で疎遠になることが多いです。
政府はフリーターなどの非正規労働者から正社員への転換を試みているようですが、国にとってフリーターはお荷物ですか。
(20代女性)
様々な側面から回答することが可能な質問です。まず、正規雇用になりたくてもなれないフリーターの方が多くいますので、そういった方の就職先を増やすという狙いがあるでしょう。また、非正規の労働は付加価値を生まないため、スキルを身につけて労働生産を向上してほしい、経済を盛り上げてほしいという目論見もあると考えられます。高齢になるまでフリーターを続けた方は政府の支援が必要になる可能性が高いため、フリーター期間が長い方が増えると財政の負担になるという側面もあります。
親の持ち家がありアルバイトの給与でも余裕をもった生活ができているので、正社員になる必要性を感じません。
(20代男性)
家の管理には想像以上にお金がかかります。固定資産税、都市計画税、修繕費、保険料、自治会費用などです。相続の際には相続税もかかります。親に月々どれくらいの金額がかかっているの聞いてみるなど、家の維持費を考慮してもう一度考えてみてください。
なぜフリーターは世間体が悪いのでしょうか。迷惑をかけていないのに白い目で見てくる人が理解できません。
(20代女性)
それが正解かは別としても、何かしらの問題があるから正社員になれないのだろう、社会貢献しないでフラフラしているのだろうというイメージを持っている方が多いからかもしれません。