警備員はきつい?楽?仕事の種類や現場ごとの特徴を解説します

警備員はきつい?楽?仕事の種類や現場ごとの特徴を解説します

警備員の仕事全てに共通する楽な点5つ

あなたにとって警備員が楽な仕事なのか、つらい仕事なのか判断するために、楽な点とつらい点をそれぞれ解説していきます。

人間関係に気を使う必要がない

内向的な性格から、警備員になることを考えている方も多いと思います。

警備員は、警備する現場の利用者とコミュニケーションすることはあっても、他の仕事と比べればやりとりはかなり少ないです。

ノルマがない

営業職や接客業をはじめ、多くの職種ではノルマや目標が設定されています。

これまでの職場でそうしたプレッシャーや競争の厳しさに嫌気が差して、転職を考えている方も多いでしょう。

警備員の仕事では、何かに追われることなく指定された警備を行っていれば良い点は楽だと言えます。

業務の内容は簡単

警備の仕事は、初日に一通りこなせばすぐに覚えられるものがほとんどです。

施設警備では鍵の種類が多くて最初は戸惑うこともありますが、大変だとしてもその程度で、難しいことは考えず業務をこなすことができます。

また、決まったことを時間内に淡々とこなせばいいので残業なども生じません。

そもそも警備は何もしないことが仕事

警備員は、何か異常や危険が生じた時のために必要な存在です。逆に言えば、問題がない間は何もしないで待機していることが仕事なわけです。

そのため、守衛室で座って待機するだけ、または警備する領域を歩くだけというのがメインの業務であり、警備の仕事は本質的に楽であると言えるのです。

正社員なら1年目から安定した給与がもらえる

正社員であれば1年目から年収300万円程度、数年経てば年収400万円ほどの安定した給与がもらえるのが警備員です。

1号警備や2号警備ですとその後の伸びしろは大きくないものの、行っている業務に対してもらえる給与は多く、割が良いと感じる方は多いです。

警備の分類など、警備の仕事の全体像が知りたい方は以下の記事をご覧ください。

警備員に転職するべき?給料や仕事内容、評判を解説!体験談も紹介! 警備員に転職するべき?給料や仕事内容、評判を解説!体験談も紹介!

警備員の仕事全てに共通するきつい点3つ

続いて、警備員の仕事に共通する3つのきつい点を解説します。

立ち続けているのがきつい

警備という業務は、その場にいる事自体が価値になる仕事です。

そのため、休憩などがあるとはいっても拘束時間は必然的に長くなります。

代わり映えのない場所で立ったまま待機する必要がある現場は、人によってはかなりつらく感じます。

クレームや見下す態度への対応

安全を確保するためには、一般の通行人や利用者にも協力を求めることになります。

正当な警備をしているのに、文句やクレームを言う方もいます。少数ではあるものの、警備員という職業自体を見下している方もいるので、嫌な態度を取られることもあるのです。

何度か経験するうちに慣れて受け流すことができるようになりますが、働き始めたころは精神的につらいかもしれません。

警備員へのクレームや底辺などと思っている方の対応が心配な方は以下の記事をご覧ください。

警備員は社会の底辺?そう言われる理由と実は底辺じゃない4つの理由 警備員は社会の底辺?そう言われる理由と実は底辺じゃない4つの理由

生活のリズムが崩れる

働いている警備会社によっては、夜勤を担当することもあるでしょう。

昼夜逆転の生活は短期間であれば問題ないものの、長期的続けると身体を壊す方もいらっしゃいます。

夜型の生活に慣れている方や体力がある方でないときついと感じるでしょう。

1号警備に共通する楽な点ときつい点

警備の仕事を始める方は、1号警備か2号警備に就くことがほとんどです。

貴重品や危険物の警備を行う3号警備、要人や有名人の警備を行う4号警備は、資格や実務経験が必要となるケースが多いため、本記事では詳しい解説を省略します。

警備の仕事の全体像について知りたい方は以下の記事をご覧ください。

まずは1号警備の楽な点ときつい点をご紹介します。

1号警備の楽な点1:室内なので天候が関係ない

2号警備のつらい点の筆頭に挙げられるのが天候ですが、1号警備は商業施設やオフィスビルなど室内の現場がほとんどです。

夏も冬もエアコンの効いた室内で警備できるのは大きなメリットです。

1号警備の楽な点2:自由時間が多い

施設警備では、仮眠のほか営業時間外は常駐さえしておけばよい時間があります。

商業施設であれば、落とし物などの対応や利用者のトラブルなどがあるので忙しい部類に入りますが、オフィスビルであればモニター監視の時間が多くなります。

特に気楽な時間が多い現場としては、オフィスビルの夜勤が挙げられます。

夜勤であれば、以下のような勤務体系があります。

  • 18:00 出勤
  • 21:00 施錠作業
  • 24:00 仮眠開始
  • 5:00 仮眠終了
  • 8:00 開錠作業
  • 9:00 退社

こうした勤務体系ですと、閉店作業が終わった後は、2時間ほど自由時間となり本を読んだりテレビを見たりできる場合もあります。

1号警備の楽な点3:精神的に楽

誰かに指示されることもなく淡々と業務を進めることができるので、精神的に楽という方が多いです。

そのため、前職において精神的に疲れてしまった20代や30代が施設警備を選ぶケースもあります。

ただし、施設警備だけをやっていても給与が上がりづらいことは事実ですので、若い方の場合は警備の資格を取得するために勉強する、他の仕事に転職するまでの準備期間だけ働くといった働き方が良いかもしれません。

1号警備のきつい点1:勤務時間が長く夜勤がきつい

自由時間や仮眠時間があるからこそ、拘束時間は長くなります。

8時間の休憩を含む24時間勤務を繰り返すことになりますので、長年続けていると身体を壊すと言う方もいます。

場所によっては、12時間の休憩を含む36時間勤務がある職場もあります。

変則的な生活パターン、長時間拘束されることに順応できる方でないときついと感じるでしょう。

1号警備のきつい点2:仮眠時間に巡回や受付をするケースもある

仮眠時間中には2時間ごとなど定期的な巡回が義務付けられているケースもあります。

大きなサイレン音で起こされてから、所定のルートを巡回し、鍵を回すなどの方法で記録を付けていきます。

また、所定時間外に関係者の出入りが認められている施設ですと、その受付も対応することがあります。

仮眠時間中に眠りに入ってから10分ほどしてから起こされるケースも起こり得るので、しんどさを感じる方もいるでしょう。

このように仮眠時間があってもその都度対応を求められるので、寝ようと思えばすぐに寝れる、短い時間の睡眠でも満足できる方でないとストレスが溜まるかもしれません。

2号警備に共通する楽な点ときつい点

交通誘導に代表される2号警備にも、楽な点ときつい点がありますのでご紹介していきます。

2号警備の楽な点1:やりがいを感じやすい

1号警備と比較して、「自分がこの場所の安全を守っている」という意識が生じやすいです。

通行人や自動車の運転手に「ありがとうね」「お疲れ様」といった言葉をかけてもらえる機会も多いのでやりがいを感じることもできるでしょう。

2号警備の楽な点2:暇を持て余しにくい

交通誘導では、通る人や自動車が常に変わるので、暇過ぎてつらいという状況は生じにくいです。

人間観察をする、目の前を通った人には挨拶をして反応の違いを楽しむ、通る自動車の特徴を集計してみるといった行動で、早く時間が過ぎるように工夫をする方もいます。

2号警備の楽な点3:同じ場所にいればよい

1号警備であれば、一定時間ごとに巡回を行うことがほとんどです。

それに対して、2号警備では同じ場所にいればよいので、「考えることが少なくて楽」という方は多いです。

2号警備のきつい点1:雑踏警備は忙しい

イベントなど多くの人が出入りする場所で行う雑踏警備は、事故が発生しないように常に気を使う必要がありますし、トラブルも発生しやすいです。

警備員自体が対応に追われることも多く、「警備員はじっとしていればいい点が魅力」と考えている方には向かないでしょう。

2号警備のきつい点2:寒さや暑さがきつい

交通誘導といった屋外での警備は、天候によって大変さが大きく左右されます。

炎天下では熱中症になる可能性もあるので、自分の身は自分で守る姿勢が必要になります。

夏には小さなファンが付いた作業着を着る、冬にはカイロを全身に貼るなど、警備員の方それぞれで独自の工夫があるようです。

警備の現場ごとの特徴

ここからは、高速道路、病院、大学、駐車場、商業施設、マンション、工場といった現場ごとの特徴を順番に解説してきます。

高速道路の警備の特徴

高速道路の警備には、独自の注意点があるため、そういったことを学んだ上で現場に就くことになります。

休憩時間が長い

高速道路の勤務は2人で担当することが多いです。

そのため、コーンを並べるなど最初の準備が終わったら、1人が業務を担当している間、もう1人は休憩できます。

また、夜の勤務がメインで手当があるため、休憩時間が多いわりに手取りも多く、割が良い現場として評価する方が多いです。

特別感がある

普通は生身の人間が高速道路に立ち入ることはできません。

特別な場所で警備をしているという点に面白さを感じる方もいるようです。

トイレに行けない

人里離れた場所を担当し、周りにトイレがないこともあります。

尿意であればまだ良いものの、お腹が弱い方は用を足す手段が無くなることもあるため、避けるべき現場かもしれません。

病院の警備の特徴

病院では24時間警備をする必要があり、1日24時間のシフトが組まれていることが多いです。

朝9時に出勤して翌朝9時まで勤務するイメージです。勤務時間には8時間の休憩時間が含まれています。

1日勤務して1日休み、月15日勤務するといった働き方があります。

適度な変化がある

病院内での勤務は不審な人物やモノがないかなど、巡回するタイプの警備を行うことになります。

入院患者から話しかけられたり、来院した方の案内を担当することもあり、働いている方は適度な変化があり、ちょうど良いという方が多いです。

急患の対応をすることもある

病院によっては、救急救命士からの外線電話を警備員が受け取り、医師や看護師に伝達することがあります。

このように責任がありコミュニケーション能力が必要な場面に出くわす可能性があることも覚えておきましょう。

自由度が高い

上記のような巡回や緊急の対応をする時以外は、守衛室で待機している時間が長いという特徴があります。

守衛室では、本を読んだりテレビを見たりすることが許可されていることもあるので、自由度が高い職場と言えます。

大学の警備の特徴

ここでは大学の警備における特徴をご紹介しますが、小学校から高校の警備も基本的には同じです。

出入りする人数が多い

大学を出入りするのは、学生や教員だけではありません。工事現場の作業員、セミナーや試験の受験者が出入りすることもあります。

このように数千人規模の利用者がいる中で誘導や監視を行い、入出管理も担当するのが、大学の警備員です。

近隣からのクレームを受けることがある

利用者が多いからこそ、クレームやトラブルが発生しやすいです。

安全に配慮して事態の収拾を図ることになりますが、中には意見を聞き入れない方もいらっしゃるのが大変な点でしょう。

活気がある

大学の警備員の役割は、学生や教員の安全を守ることです。

警備している途中には大学生に声をかけられたりすることもあり、「若者がたくさんいる活気がある場所での勤務は元気が出て良い」と言う方もいらっしゃいます。

駐車場の警備の特徴

平面式の駐車場では警備員はほとんど必要なく、警備のニーズが多いのは立体駐車場です。

立体駐車場は狭い土地でも多くの自動車を入庫できることが魅力ですので、大都市圏に多いです。

車好きに向いている

警備中は車の出入りを見続けることになりますので、車好きであれば飽きにくいでしょう。

逆に車の知識が全くないと、車種などを覚えるまで苦労するかもしれません。無線では「カローラの白」「赤いクーペ」といった車種やボディタイプで指示されることがあるからです。

利用者のストレスが溜まっている

満車になりやすい駐車場であれば、利用者は待たされる時間が長くなります。

そのため、案内する時にはすでにイライラしていて、警備員に対して理不尽に当たってくることもあります。

現場によって差がある

駐車場の警備は、派遣される場所によって差が大きいことも特徴です。

屋内駐車場でモニター監視と巡回するだけであれば比較的楽ですが、真夏や真冬の屋外駐車場であれば天候の影響を大きく受けます。

葬儀場の駐車場警備を担当する際には、寸志をもらえることもあります。

商業施設の警備の特徴

商業施設においては、受付、巡回、点検が主な業務となります。

コミュニケーション能力が必要

商業施設の利用者からすると、「警備員もその施設の職員の1人」という位置づけになります。

そのため、利用者の質問や道案内、迷子になった子どものサポート、不審者への対応も臨機応変にこなす必要があります。

警備以外の業務を任されることもある

商業施設によっては、入館証の管理や手荷物検査を担当することもあります。

「ただ警備しているだけでは飽きてしまう」「ある程度忙しい方が早く時間が過ぎて嬉しい」という方におすすめです。

今後に役立つ経験が積める

大きな商業施設では、巡回する経路が指定されていて、途中でチェックする機器の数も多いです。

施設警備において覚えるべきことを現場で経験できるので、今後に活かすことができる、施設警備業務検定を受ける時に役立つというメリットがあります。

マンションの警備の特徴

比較的楽と言う方が多いのがマンションの警備です。

対応するのはマンションの住人だけ

商業施設などと違って、マンションの警備で対応するのはほぼマンションの住人だけです。

不特定多数の人が出入りしないため、クレームも発生しにくいです。

立哨や取り次ぎが主な業務

いわゆる立哨(=決められた場所で警備にあたること)がメインで、マンションの出入り口で待機する時間が長いです。

そのほか、配達や来客を取り次ぐ業務も対応します。

住人のトラブルにも対応する

頻度は低いものの、ドアが開かなくなった場合やマンションの設備不良があった場合には、警備員に問い合わせがきます。

こうしたトラブルの対応にはマニュアルがあるので、慣れれば問題ないでしょう。

工場の警備の特徴

施設警備の一種である工場警備の特徴をご紹介します。

監視や誘導が主な業務

工場も来客が少ない現場の一つです。巡回や出入り口での待機を行う時間が長く、そのほか決まった時間に施錠や消灯作業を行います。

工場によっては、搬入トラックの誘導、モニター監視も担当します。

忙しい現場は少ない

何か問題が起こらない限り、立哨がメインで、よく言えば楽、悪く言えば時間を持て余す現場と言えます。

巡回をする場合も工場の内外を行ったり来たりするので、真夏や真冬に厳しい天候にさらされ続けることは少ないです。

受付を任されることもある

警備員が受付業務を兼ねている工場もあります。

その場合は、守衛室で待機しつつ電話応対や来客対応をすることになります。

警備員の業務内容についていただいた質問

レイズキャリアでは、キャリアや転職に関する質問を受け付けております。その中から警備員に関する質問と回答をご紹介させていただきます。

警備員の仕事に興味はありますが、深夜の勤務が心配です。夜勤は慣れれば問題なくこなせるものでしょうか。
(30代男性)

私たちが夜型か朝方かは遺伝子によって決まるとされていますので、あなたがもともと夜型の人であれば夜勤をつらいと感じにくいはずです。普段の生活で体調が良い時間帯、夜遅くまで起きている時の体調などを考えて夜勤が得意そうか判断するとよいでしょう。

力仕事はしたくないのですが、重労働させられる警備の現場はあるでしょうか。
(40代男性)

重いものを運ぶ現場はほとんどないと考えて大丈夫です。何か運んだり持ったりするとしても、カラーコーンを設置する、道路の落ち葉や砂をほうきで掃除するといった程度です。

警備員として働いている方はどんな人が多いのでしょうか。
(20代男性)

長年働いた会社を早期退職された50代以上の方、学生時代に警備のアルバイトをしてそのまま働くようになった方、専業主婦から復職された方など様々です。比較的就職しやすいことから、接客業や事務員、ドライバーなど他の職種から転職される方も多いです。

警備員に職業病はありますか。
(30代男性)

座りっぱなしの現場に長く勤めていると、ヘルニアになってしまう方がいらっしゃいます。また、勤務中はほとんど動くことがないので、太りやすい、血糖値が上がりやすいという傾向はあるようです。勤務中に定期的に身体を動かす、適度な運動など生活習慣に気をつけるといった工夫は必要です。

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