ツイッターでも話題になるほど!保育士が辛い、大変な理由
「#保育士辞めたいの私だ」
「#保育士辞めたの私だ」
「#保育士にはなるもんじゃない」
そんなハッシュタグやツイートが話題になるほど、保育士を辞めたい理由、辛い理由を主張する声は多いです。
保育士が辛い、大変な理由をまとめました。
国家資格なのに月収10万円台前半
保育士の給料が低いことは国会でも問題になりました。
全職種での平均月収は33万円ほどなのに対して、保育士は22万円ほど。社会保険料などを引いた手取りはもっと少なくなります。
そのため、月収20万円に届けば御の字で、10万円台後半が一般的、一部地域では手取り12〜13万円しかもらえないこともあるほどです。
さらに、昇給は1年間1,000円ずつといったレベルです。
勤務年数が長くなっても昇給が微々たるものなのに、仕事量や責任ばかり増えていくので、割に合わないと感じている方がほとんどではないでしょうか。
主任になっても給料はあまり変わりません。主任手当は3〜5万円と言われているので、将来のことを考えて辞めたいと思うのも無理ないと思います。
保育士になりたいと決意した学生のころは、努力をすれば給料はなんとかなるだろうと考えていた方も多いかもしれません。
しかし、保育園の労働環境を知ると、どうやっても給料が伸びないことが分かってきます。
休日を楽しむお金もないから、同世代の友人と旅行すら楽しめないという状況になりがちです。
いくら子供達が好きでも、給与があまりにも低いと、その仕事に誇りを持つことも段々難しくなってしまいますね。
休憩や休日が少ない
業務時間中は常に忙しいというのも保育士の特徴です。
保育時間は子供たちから目が話せないので、トイレにさえなかなか行けません。人手不足の保育園では、トイレに行く時間が取れず膀胱炎になってしまう方もいると言います。
お昼寝の時間は休憩とみなされていることが一般的ですが、事務作業をしなければ残業が増えるだけという状況になりがちです。
何より、子供たちがなかなか寝付かない、途中で起きてしまうということが多いので、ゆっくりと休憩する、他の作業をするという時間はなかなか取れないのが現実です。
厚生労働省の調査によれば、約40%の保育士が職員が足りないことを実感していると言います。
勤務時間中の忙しさに加えて、休日に関する悩みもあるあるです。
土日休みが保育士の良さだと思っていたのに土曜も働くことが大半という方は多いかもしれません。
休日に研修がある時には、その時間とレポート作成で丸1日潰れてしまうので「これは休日なのだろうか」と思ってしまいますよね。
職場の人間関係が悪くなりがち
女性が多くて少人数の職場では、一旦人間関係が悪化すると挽回するのは難しいでしょう。
理不尽な注意をされる、話を聞いてくれない、連絡事項を自分にだけ伝えてくれないという経験がある方も多いのではないでしょうか。
こうした環境なので、心の病気を抱えてしまう保育士は意外にも多いのです。
また、先輩保育士への配慮も大変です。
雑務=新人がやること、として暗黙の了解になっていることも多く、規定よりも早く出勤して準備する必要がある、先輩社員の業務が多くなっていれば一緒に残業して手伝う、といった機会も多いでしょう。
保護者の対応やクレームが大変
ほとんどの保護者が保育士のことを信頼して、大事なお子さんを預けてくださいますよね。
それでも、一部にはモンスターペアレントのような保護者の方々がいるのも事実。
ちょっとした怪我でも、細かい説明を求められ、保育園側に非がなかったのか執拗に問われるのは保育士であれば一度は経験があるでしょう。
特に新卒など経験が浅いときには、自分のせいにされやすい、味方になってくれる人がいないなど、追い詰められてしまいがちです。
お迎えの時間も、保護者のマナーが分かるタイミングですよね。
規定の時間が過ぎているのに、少しくらい過ぎても大丈夫、というスタンスの保護者が多いとうんざりしてしまいます。
止むを得ない事情があれば納得もできますが、買い物した後であることが明らかだったりするとイライラしてもしょうがないです。
そういった行動が残業を増やすのに、保育士と保護者という立場だとなかなか文句は言えません。
明らかにインフルエンザや風邪を引いているのに、仕事があるからと子供を登園させようとすうケースも困りものですね。
体力的に限界
保育士は、肩こりや腰痛が出やすいので、定期的に整体やマッサージに通っている方も多いかもしれません。
一度、ひどい腰痛を抱えてしまうと、完治するのは難しいです。
どうしてもしんどい場合には、病院を受診して診断書をもらいましょう。休暇やクラスの異動、退職が認められやすくなります。
仕事量の多さにより、残業が増えると体調にも影響しますよね。
特に大変なのが、運動会や発表会といった年間行事の前です。
日常的に発生する保護者への連絡用の書類作成、日誌などの記入に加えて、道具や衣装の準備をしなければなりません。
年間行事の数日前から、持ち帰って作業をしたご経験があるのではないでしょうか。
社会的な評価が低い
保育士は、多い時には30人もの子供の命を同時に預かる仕事です。
遊んでいる時はもちろん、寝ている時や食べている時も気持ちを休められる瞬間はありません。
しかし「保育士は子供と遊んでいるだけの仕事」という見方をする人がいるのも事実です。
子供たちが好きだからこそ、不満を言うべきではない、辛くても頑張ろうという考え方にもなってしまいがちです。
しかし冷静に考えれば、多くの保育士が理不尽な労働環境に置かれています。こうした不満が爆発して、ツイッターなどでも話題になったと言えるでしょう。
コロナ流行後の不満
保育園は3密を満たしている職場です。
流行が深刻化した2020年上半期における労働環境は特に深刻でした。
マスクが足りない、消毒液も買えないという状況下で働き続けた保育士は多かったと言います。
自分が感染するかもしれない不安もありますが、何より園児への感染リスクがコントロールできない中でかなりストレスを感じた方もいらっしゃったのではないでしょうか。
さらに子育て中の保育士であれば、小学生の子供を家に置いておきながら、自分は出勤しなければならない状況も起きました。
これにより「政府は、保育士とその現場に対してしかるべき配慮をしていない」と感じて、保育士を辞めることを検討する方が増えたのです。
保育士を辞める前に考えるべき改善策
保育士が辛くて辞める前に、改善できる点がないか考えてみましょう。
手当の適応を目指す
保育士の処遇を改善するために、厚生労働省が保育士等キャリアアップ研修という取り組みを始めたことをご存知でしょうか。
特定の研修を受けて役職を取得できれば、月額にして最低5,000円、最高40,000円の昇給が見込める制度です。
業務の効率化を試みる
保育園によっては「人の温かみを重視する」といった方針で、お便りや書類の作成を手書きすることが強制されているかもしれません。
ただし、それによって残業増えて苦しんでいる保育士が多いのであれば、保育士同士が団結して主任や園長と話し合うことも必要かもしれません。
残業を減らすことで、子供たちとも集中して向き合えるようになる、などのメリットを伝えれば業務効率化の提案が受け入れられることもあります。
問題は1人で解決しようとしない
保育士をしていれば、保護者や主任などから理不尽な要求やクレームをもらうこともあるでしょう。
そういった時には、1人で解決しようとせず、園長や同僚などに相談、報告するようにしましょう。
速やかに周りの人に協力してもらうことで、スムーズな解決に繋がることがあります。
普段からトラブルの種となりそうな同僚や保護者がいたら、仕事上の人間関係だと割り切り最低限のやりとりにとどめるように心がけてください。
自分のスキルを補う方法を考える
新人の方であれば、ピアノが弾けないなど、保育士としてのスキルがなかなか身につけられず、辞めたい気持ちになる方もいらっしゃいます。
人には向き不向きがあります。勉強や練習をしても習得できないスキルがある場合はそれを補う方法を考えてみましょう。
ここでは、ピアノが苦手なケースについて考えてみます。
まず、完璧を目指す必要はありません。ピアノが苦手な方は失敗すると固まってしまう、止まってしまうという方も多いですが、そのまま演奏し続けることを優先しましょう。
子供達に楽しんでもらうことが一番大事ですよね。
また、ピアノの保育がない保育園を探すという選択肢もあります。具体的には、民間企業や病院内に設置されている保育園が挙げられます。
保育士になったばかりなのに辞めたくなるケース
保育士になったばかりで辞めたくなった方は、罪悪感を感じているかもしれません。
しかし、保育士になってから理想と現実のギャップに苦しむ方は多いです。まずは冷静に現状を分析してみましょう。
1ヶ月で辞めたくなるケース
保育士の1ヶ月目は、注意やクレームを受けるばかりで落ち込みっぱなしの毎日かもしれませんね。
子供たちが好きで始めたのに、仕事を楽しむ余裕もなかなかないでしょう。
しかし、保育士には子供たちの安全を守る責任があるからこそ、周りの先輩方は多少厳しく接してくるかもしれません。
悩みを共有できる仲間を見つけられるとよいですね。
身近にいない場合は、ネット上で同じ悩みを抱えた保育士の声を調べてみてもよいでしょう。自分と同じ立場の人がいると分かるだけで心のよりどころになります。
1年目(新卒)で辞めたくなるケース
1年働いてきたのであれば、保育士としての仕事を一通り経験したことになります。
給料や働き方への不満、人間関係などに悩んでいるかもしれませんね。
これから2年、3年と働き続けたとしても解決されない問題に悩んでいるのであれば、早めに結論を出して転職するべきと言えるでしょう。
3年目で辞めたくなるケース
厚生労働省の調査では、勤続5年未満で辞める保育士が約5割であることが明らかになりました。3〜5年目あたりが保育士を辞めるべきか悩みやすい時期と言えるでしょう。
退職を考える理由の一つが業務量の増加です。
ほとんど給料は増えないのに、後輩の指導による業務量が増えがちなのです。
また、主任と新人の板挟みになりやすく、人間関係に悩みやすい立場でもあります。
このように大変な立場になりつつも、給料はほとんど増えていないので、責任と待遇のバランスに不満を持ち始めるのも無理はないと思います。
保育士として3年頑張ってきた方は、良い面も悪い面も分かっているはずです。それでも、辞めたいという思いが出てきたのであれば、辞めるべき時期に来ていると言えるでしょう。
「辞めたい」と言えない保育士の方へ!退職に最適な理由とタイミング
保育士を辞めたいけれど、どのように辞めればよいのか分からない方向けに、退職理由から最適なタイミングまで解説していきます。
円満退社を目指しましょう
今までお世話になった保育園に迷惑をかけない、また行動で感謝を伝えるためにも円満退社を目指しましょう。
違う保育園への転職を考えている方は特に注意が必要です。
園長や主任を通じて、保育園同士でつながりがあることも多いです。退職時に揉めてしまうと、悪い噂が流れてしまう可能性もあります。
年度の変わり目で退職するのが理想
保育園をはじめ、子供達や保護者への配慮を考えると年度末に退職することが理想です。
また保育業界は人手不足です。保育園が余裕を持って採用活動を始められるように、退職の意思が固まったら早めに申し出ましょう。
これらを踏まえると、退職する前年の秋までに辞意を伝えたいところです。
年度途中で辞めたいケース
年度の途中でも、きちんとした理由を話せば辞めることは可能です。
数ヶ月後に辞めたい旨を伝えても受け入れられない場合は、保育園側に問題があります。
被雇用者は2週間前までに申し出れば退職できるという法律があることを覚えておきましょう。話を聞いてもらえない場合は、「一身上の都合で」などと伝えて法律に基づいて退職すれば大丈夫です。
辞めやすい退職理由
時期はいつにせよ、引き止められることが多いので、明確な理由を用意しておく必要があります。
実際の理由が給与や待遇、人間関係だったとしても、「給料や休日日数に不満がある」「〇〇さんとの折り合いがつかない」といった理由は避けましょう。
揉め事を避けるためにも、保育園に伝えるのは「仕方なく辞めざるを得ない理由」にすべきです。
例えば以下のような理由であれば、保育園も引き止めることはできません。
- 転職先が決まった
- 介護など家庭の事情
- 心の病気を含む体調不良
- 通勤圏外への引っ越し
具体的な理由を伝えたくない場合は、「一身上の都合で」と表現しても大丈夫です。
条件の良い保育園、他の仕事を探すことは可能!
「どうしても辞めたい」と思ったときは、その辞めたい理由が、保育士という仕事に起因するのか、今の保育園に起因するのか考えてみましょう。
「保育士を辞めたい」と思っていたのに、他の保育園に転職したら働きやすくて「前職の保育園を辞めたかっただけだった」と気づく方もたくさんいます。
保育士の転職先については以下の記事で詳しくまとめています。
保育士からおすすめの転職先とは?一般企業、異業種も可能です!
保育士を辞めたよかったと思える人の特徴
保育士を辞めたいと思っていても、後悔しないか心配と言う方も多いと思います。
退職後に辞めたよかったと思える方の特徴を紹介します。
保育士の給料に不満がある
どの保育園に転職しても給与が大幅に上がることはありません。
一方で、保育士から他の職種に正社員として転職すれば、ほぼ必ず給料は上がります。
一般的な企業であれば、そのまま給料は上がり続けますので転職から数年後には保育士時代の倍の給料になることも珍しくないのです。
将来的に給料を上げたいという思いがあるのであれば、他の職種に転職して「辞めてよかった」と思えることは間違いありません。
保育士の仕事を一通り経験している
1年間保育士を続けて「辞めたい」という気持ちが出てきたのであれば、その後もその気持ちを抱え続けることになります。
それ以上続けている方であれば言うまでもありません。
特に3年以上保育士を続けた方であれば、面接官からも「保育士という大変な職業を長く続けることができた人」という評価がされるので、転職がしやすくなります。
保育士を辞めたい方からいただいたご質問
レイズキャリアでは、退職や転職に悩んでいる方からの質問を受け付けています。ここでは保育士を辞めたい、辛いと思っている方からいただいたご質問を紹介します。
子供は好きなのに、保育士になってから子供たちを見守ることに向いていないのではないかと思うようになりました。どうしても子供たちをうまく落ち着けることができず、ヒヤヒヤすることが多いです。
(20代女性)
1人で担任を受け持っていると、安全に見守るのが難しいこともありますよね。業務量が多すぎるということでしたら、保育士を補助する役割でパートとして働く道もあります。この場合は、雑務や事務作業がメインで、たまに保育を手伝うという役割になるようです。
今働いている保育園を辞めたいのですが、その会社が持っている社宅を利用しています。退職した場合は、どのタイミングで出ていくことになりますか。
(30代女性)
一般的に社宅は退職と同じタイミングで退去することが一般的です。詳しくは、お勤め先との契約内容を確認してみてください。
イベントごとの挨拶など大勢の前で話す際には、他の保育士さんのプレッシャーもあり極度に緊張してしまい、保育士自体を辞めたくなってしまします。何か対処法はあるでしょうか。
(20代女性)
誰か1人に語りかけるつもりになると、緊張感が和らぐのでおすすめです。また、他の保育士の方はそこまで真剣に話を聞いていないと考えるなど、気楽に臨む姿勢があるとよいかもしれませんね。
保育士6年目ですが「もう保育士なんて辞めたい」という気持ちと「もう少し頑張ってみよう」という気持ちが交互に訪れます。こうした場合は、どうすればよいのでしょうか。
(30代女性)
おそらく、業務量が多い大変さはあるものの、子供と接すること自体は好きだから、そういった心理になるのかもしれませんね。保育士は復職することが可能ですので、他の仕事をしている自分がイメージできるのであれば転職してもよい時期だと思います。