宅配・ルート配送ドライバーは転職しやすいことを知っていますか?
ECサイト(オンラインショップ)の利用者が増加するに従って、宅配のニーズも増えています。
また昨今は新型コロナウイルスの影響でますます配送件数が増加しています。
非常事態宣言が発令された4月には、ヤマト運輸の宅配件数が前年同月比13.2%増の約1億5,600万件に達したほどです。これは4月としては過去最高の数値です。
一方で宅配・配送を担当するドライバーの人手不足は深刻です。
人手不足が深刻であるため転職しやすく労働条件も良くなっている傾向にあります。
宅配・ルート配送ドライバーに転職するメリット
他のドライバー職とも比較しつつ、宅配やルート配送ドライバーのメリットをまとめました。
比較的拘束時間が短い
同じドライバー職でも、長距離トラックのドライバーだと15時間を超えるような勤務もあり得ます。
一方で宅配やルート配送のドライバーの場合は、8時出社17時退勤など勤務時間が固定されていることが多く、拘束時間が極端に長くなることはありません。
大手企業の求人も多い
東証一部上場企業のグループ会社など、福利厚生が充実した求人も多いです。
求人情報を見ると、土日休みの求人や平均年収600万円以上をアピールする求人がすぐ見つかります。
18〜19時に退勤できて、休日にしっかり休めるなど、ドライバー職の中でも激務にはなりにくいのが宅配やルート配送のドライバーです。
同じお客様に届けるからやりがいがある
宅配やルート配送のドライバーは基本的に同じ地域を回ることになります。
そのため、同じお客様や担当者と定期的に顔を合わせることになります。荷物を届ける本人から感謝してもらえるので、やりがいに繋がります。
高いスキルが必要ない
宅配やルート配送のドライバーを募集している会社の中には、9割以上が未経験から働き始めている会社もあるほどです。
2017年3月より前に運転免許を取得した方であれば普通自動車免許で2トントラックを運転することが可能です。
「普通運転免許取得から1年経過」ということだけ条件としている会社も多く、応募しやすいのは転職先を探している方にとって大きなメリットです。
年齢が高くても転職しやすい
40代や50代で入社できることもあるのが、宅配やルート配送のドライバーの特徴です。
もちろん40歳までなど年齢制限を設けている求人もありますが、年齢が高くても転職を成功させている方がいらっしゃいます。
きついって本当?宅配・ルート配送ドライバーのデメリット
「宅配ドライバーはきつい」と言われることもあります。どのようなデメリットがあるのか挙げてみました。
同じルートに飽きてしまう
宅配やルート配送のドライバーは同じルートを巡ることになりますので、この点に飽きを感じてしまう方もいらっしゃいます。
新しい土地に行くことへ魅力を感じる方は、長距離トラックドライバーの方が向いているかもしれません。
朝が早い
朝7時出社など、朝早くから働き始める勤務体系が多いです。
宅配やルート配送のドライバーに転職したばかりの頃は朝が早いことに苦労する方もいらっしゃいます。
繁忙期はきつい
繁忙期はどうしても配送件数が多くなり、残業が必要になることもあります。
イベントが集中している年末年始、引っ越しなどの人とモノの動きが激しい年度末から年度始め、旅行やお中元などで配送需要が増える夏季繁忙期は、どうしても業務量が増えてしまいがちです。
向き不向きはある?宅配・ルート配送ドライバーに向いている人
「運転が好き」といったドライバー職に必要な適性のほかに、宅配やルート配送のドライバーはどのような人に向いているのかその特徴をまとめました。
身体を動かすのが好きな人
運転している時以外は、積み込みや配達などの業務をテキパキと進める必要があります。
「ずっと座っているよりは定期的に身体を動かせた方がよい」という方に向いています。
プライベートの時間も大切にしたい人
就業時間が固定されているため、ワークライフバランスを保ちやすいことも特徴です。
プライベートの趣味を充実させたい、家族との時間もしっかり確保したいといった方にぴったりです。
1人の時間が苦にならない人
運転している1人の時間が苦にならない人、冷静に作業ができる方も向いています。
ただし、他のドライバー職の中でも比較的コミュニーケションの機会は多いです。
配送センターに戻る機会も多いので、同僚と助け合って作業をすることもあります。ずっと一緒に業務に当たるわけではないので「適度な距離感がありつつ仲が良い」と口にする宅配ドライバーは多いです。
配送先のお客様とのコミュニケーションもあるので、目の前の人に感謝されることでやる気が出る方も向いているでしょう。
女性は宅配・ルート配送ドライバーに向いているのか
就業先にもよりますが、軽い荷物しか運ばない仕事もありますので、体力的な面では特に心配ないでしょう。
また就業時間が一定なので、家事や子育てのために決まった時間には退勤する必要があるという方にも向いています。
女性だからと言う理由で、運転中や配送先で珍しがられたり嫌がらせをされたりすることも稀にあるようです。
宅配・ルート配送ドライバーは未経験でもなれる?
既にお伝えしている通り、宅配やルート配送のドライバーは必要な免許さえあれば未経験でも就職可能です。
学歴や経歴が問われることはあまりありません。年齢制限があることもあるので求人情報を確認してください。
また運転経験が浅いと判断された場合は、正社員登用を見越した契約社員として働き始めるケースもあります。
宅配・ルート配送ドライバーの仕事内容
宅配やルート配送のドライバーは地域に密着して仕事を進めます。
お客様と顔を合わせて継続的に良いコミュニケーションを築き上げていくことも大切な業務の一つです。
それでは、仕事内容を1日の流れに沿って見ていきましょう。時間はあくまでも目安ですので、企業によって異なります。
8:00 出社
仕分け、ルートのチェック、アルコールチェックを行います。
積み込みでは配送ルートや荷下ろしのことを考えると業務効率が上がります。
9:00 出発
午前中の在宅率が高い住宅をメインに回ります。
13:00 休憩
キリが良いタイミングで休憩に入ります。
センターに戻って午後に配送する荷物を積み込むこともあれば、ルート上のお店で昼食を食べてそのまま配送を続けることもあります。
14:00 出発
地域や業務内容になりますが、1日合計30〜50件程度の配送先を回ることになります。
18:00 帰社
洗車、点呼と報告、アルコールチェックなどを行って1日の業務が終了です。
繁忙期には残業が多くなる傾向になります。
勤務時間や休憩について
出社時間、退勤時間は会社によって異なります。7時出社であれば16〜17時ごろ、8時出社であれば17〜18時ごろが目安となります。
休憩時間がありますので、労働時間は8〜9時間ほどです。
休憩時間は自分のタイミングで取ることが多く、リフレッシュのために仮眠をとる方もいらっしゃいます。
現実的には渋滞などで予定が押してしまうこともあります。そういった場合は、会社側との相談が必要です。こうした相談をするためにも、会社の風通しの良さは大切です。
トイレはルート上にあるガソリンスタンドやコンビニのトイレを利用することになります。そのため、業務を進めていく中でトイレの場所を把握して効率良く作業を進めていく必要があります。
もしもの時のために、携帯トイレを常備している方も多いです。
宅配・ルート配送ドライバーの給料、平均年収
宅配やルート配送のドライバーの平均年収は、400万円前後と言われています。
初任給は20万円前後となります。
昇給に関しては、半年に1回の昇給制度を設けている会社、歩合制を適応している会社など様々です。
ドライバー職の中では労働時間が比較的短く、安定した給与がもらえる仕事であるといえるでしょう。
宅配・ルート配送ドライバーの求人の例
宅配やルート配送のドライバーの求人情報から分かる仕事内容や会社ごとの特徴を挙げてみます。
ヤマトや佐川などの宅配会社
自分が担当する地域で個人や企業への配達業務を行います。
こうした宅配会社では、ドライバーを「セールスドライバー」と名付けています。
セールスと付いていることからも分かるように、営業担当としての接客やマナーが求められているのです。
実際に新規顧客への営業活動をすることもあります。給与アップを狙う方は、こうした顧客獲得のための営業に力を入れる必要があります。
生協(コープ)やネットスーパーの宅配会社
生協(コープ)やネットスーパーの組合員・会員に食料品や雑貨を届ける業務を行います。
お客様には自分で買い物に行くことが難しい高齢者の方も多いので、感謝されることが多いです。
地域を見守る、地域に笑顔を届けると形容されるように、地域社会に貢献できる仕事です。
コンビニへの配送会社
コンビニで販売される商品を各店舗に配送する業務です。
1店舗につき10分ほどで納品を済ませ、担当地域のコンビニを回ります。
コンビニであれば常に一定量の配送が必要なので、仕事量が安定していることが特徴です。
深夜に納品することもあるため、日勤と夜勤があります。
小売企業の宅配業務
Amazonなどの大手ECサイト、ヨドバシカメラやカクヤスなどの全国チェーンは、配送業務を他社に依頼するケースと自社で担うケースがあります。
自社配送では、注文から2時間以内の配送を売りにしていることもあるため、実際に働く方からは勤務中はかなり忙しいと言う声も聞かれます。
一方で勤務中が忙しい分、休日が多い求人や給与水準を高い求人を見つけることができます。
小売チェーンであれば、自社の物流センターから各店舗に商品を届けるドライバー職の募集もあります。
宅配・ルート配送ドライバーの面接、志望動機
宅配やルート配送のドライバーへの転職を希望する方向けに、面接や志望動機を伝える上での注意点をまとめました。
宅配・ルート配送ドライバーの面接で準備しておくべきこと
まず服装についてです。宅配やルート配送のドライバー業務は指定の制服や作業着で行うことになりますが、やはり面接の場ではスーツが望ましいです。
また指定がなかったとしても印鑑と免許証を持参するようにしましょう。その場で採用が決まり必要になるケースがあります。
時間を守ることや挨拶といった基本的な点にも気を配りましょう。面接官は、業務を時間通りにこなせそうか、配送先とのコミュニケーションが問題なくできそうかという基準で観察しています。
宅配・ルート配送ドライバーの面接で伝えるべき志望動機
これまでの経験と宅配やルート配送ドライバーの業務内容を結びつけるようなストーリーがあるとよいでしょう。
営業職として働いてきて運転や同じルートを回ることに適性を感じていること、これまで体力勝負の仕事を経験してきたから体力には自信があることなど、自分ならではのアピールポイントを語れるとベストです。
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宅配・ルート配送ドライバーの転職についていただいた質問
レイズキャリアの問い合わせフォームからいただいた宅配・ルート配送ドライバーの転職に関する質問とその回答をご紹介いたします。
ルート配送とスポット配送の違いを教えてください。
(30代男性)
ルート配送では一定期間ごとに同じ配送先を回って荷物を届けます。配送先は、コンビニや飲食店など定期的に一定量の物資が必要な事業者になります。スポット配送では、その時々によって配送先や配達時間が指定されます。不定期の依頼となるため、単価は高く設定されています。
セールスドライバーとして募集されている職種では、どのような営業活動を行うのでしょうか。
(40代男性)
企業によって営業の内容は大きく異なり、ルート営業と新規営業の双方があり得ます。既存顧客である法人に対して値上げ交渉を任されることもあれば、個人顧客に花やお菓子などの商品を販売することもあります。
過去に違反歴があると配送ドライバーへの就職は難しいのでしょうか。
(40代女性)
たいていの会社では応募の際に直近3年の運転記録証明書が要求されます。複数の違反があると就職の難易度は高くなるでしょう。
宅配ドライバーは忙しいイメージがあるのですが、1日何件くらい配達することになるのでしょうか。
(30代男性)
地域によって異なりますが、東京などの大都市圏であれば1日100件配達する方もいらっしやいます。お中元の時期である8月などピーク時には配達件数が特に多くなります。