警備員の仕事内容・種類とは?施設と交通どっちがおすすめ?
一口に警備と言っても、警備は仕事内容によって分類されています。
自分が志望する警備の業務に合った就職先を見つけるためにも、まずは警備の種類について把握しておきましょう。
警備の仕事は、その業務内容によって以下の4つに分類されています。一般的に募集されているのは、1号警備と2号警備です。これから警備員への転職を考えている方は、この2つを前提に考えておくとよいでしょう。
施設に常駐する1号警備
施設に常駐するタイプの警備です。主な業務は巡回や監視になります。警備業務全体の約50%が1号警備に当たると言われています。
事故を防止するための2号警備
交通整理やイベントの入退場管理によって、事故を防止するための警備です。
盗難防止のための3号警備
現金や貴重品の盗難を防止するための警備です。基本的に2人以上で業務に当たります。
要人を危険から守る4号警備
要人の安全確保を行う警備です。一般的にはボディガードとして認識されています。
施設警備と交通誘導どっちがおすすめなのか?
よく募集されている警備の仕事は施設警備と交通誘導ですが、どちらを選ぶべきなのでしょうか。
施設警備は、長期間同じ場所で同じ仕事内容で働けるというメリットがあります。安定している一方で、同じ業務の連続で退屈してしまう、飽きてしまうという方もいます。
交通誘導は、様々な場所に行けることを楽しみ挙げる方がいます。また、誘導自体の業務が好きという人も多いです。ただ立ちっぱなしなので、体力的なきつさや、野外での勤務の場合は真夏や真冬の大変さがデメリットになります。
個人の好みにもよりますが、給与が高いことも多い施設警備の方がおすすめです。
警備員に資格は必要なのか?
資格がなくても警備員になることは可能です。しかし、業務内容によっては資格が必要な場合もあります。ここでは、どんな場合に警備員の資格を取得する必要があるのか説明していきます。
まずは、現場や警備の種類によって特定の資格取得が要求されるケースです。
また同じ会社にある程度勤続していると職場から取得が依頼されることもあります。この場合は取得にかかる費用は会社負担になるので、昇進や昇給、転職のことを考えると取っておいて損はないです。
警備における3種類の国家資格
警備に関する主な国家資格は以下の3種類です。
警備員指導教育責任者
警備員の指導や管理、その記録を作成するための資格です。警備員として3年以上勤務した経験が必要です。
機械警備業務管理者
機械警備を行うために必要な資格です。具体的には、監視カメラや侵入検知センサーを取り入れた無人警備システムを利用する警備です。教育機関や金融機関における夜間警備をイメージすると分かりやすいでしょう。
警備業務検定
警備業務検定には、6種類あり、それぞれ1級、2級が設定されています。施設警備、交通誘導、雑踏、貴重品運搬、核燃料輸送、航空保安に関する検定があります。
取得方法は、講習なしの直接試験、講習の受講・実技試験・学科試験を含む特別講習に分けられます。前者は安価であるが合格率が低い、後者は費用はかさむが合格率が高い、という特徴があります。
1号警備に就職したいならおすすめの講習・資格
比較的手軽に受講でき、資格が取得できる講習は以下の3つです。
講習を受ければ取得でき、応急処置の知識が身に付くのが、上級救命講習です。
防災センター内の業務で必要とされる知識、技術が身に付くのが、防災センター要員講習です。
消火活動や通報の知識が身に付くのが、自衛消防業務講習です。
警備員に向いているのはどんな人?
警備員に向いている人の特徴を4つご説明します。
体力がある人
長時間の勤務が必要な警備の仕事にはある程度の体力は必須です。
夜勤がある場合には不規則な生活になりがちですし、24時間体制の勤務(休憩時間は合計8時間が一般的)もあります。
体育会系の職場に耐性がある人
警備会社の社風は体育会系であることが多いです。
そのため、体育会系で活動した経験がある方や自衛隊での勤務経験がある方は、職場の雰囲気にも馴染みやすいです。
責任感がある人
底辺の仕事と揶揄されることもある警備の仕事ですが、施設の安全や人の命が関わる現場を守る重要な仕事です。
自分が警備をする場所、仕事内容に責任を持てる人でなければなりません。ダラダラと仕事をしている警備員が多いことが実情ですが、責任を持った勤務姿勢であることが伝われば、勤める警備会社からの信頼も勝ち取れ、昇給、昇進につながります。
コミュニケーション能力がある人
警備の仕事はコミュニケーションがいらない仕事と思われがちですが、そうではありません。
警備する場所の従業員とのやりとりがあったり、迷っている人に道を聞かれたりと、意外にコミュニケーションの機会は多いのです。
また、自分には関係ないクレームを言われてしまうことがありますが、いかに波風を立てないように処理するかも大事なポイントです。
未経験でも40代・50代から警備員になることは可能?
40代、50代になって未経験でもできる仕事を探している際に、よく候補に挙がるのが警備員です。40代、50代の転職事情から、その年代から警備員の転職が可能なのか解説します。
40代・50代の転職理由
40代・50代で未経験の職種に転職を考える動機としては、給与面というよりも労働条件の改善です。
今の職場・職種では、自分のしたい生活が送れない、親の介護の時間を確保できない、といった理由です。
40代・50代の転職事情
一般的に40代・50代で転職するとなると、志望する職種での実務経験や専門性、マネジメントスキルなどが要求されます。
40代・50代に警備員が選ばれる理由
そんな中で未経験の40代・50代でも転職できるのが、警備員です。
他の未経験可の職種と比較すると給与が高い、勤務日と勤務時間に融通がきく、という点が魅力的なので、選ばれるのです。
警備会社としても年齢を重ねた方の安心感を評価して採用する場合も多いです。
警備員は底辺と言われてしまうはなぜ?
前の章で解説したように、年齢を重ねていても未経験から転職できるという点などから、警備員は底辺と言われてしまうことがあります。
また、低賃金というイメージ、「業務内容が簡単で誰でもできる」と思われがちなことも、こうした現状に繋がっています。
もちろん誰もが警備員になれるわけではありません。前提として、以下の条件に合致する場合は就職できません。
- 18歳未満
- 破産している人
- 刑務所出所または執行猶予期間満了から5年間
- 特定の法律を5年以内違反したことがある人
- 暴力団と関係がある人
- アルコールをはじめとした中毒者
また、大手警備会社であれば、職歴や適性をしっかり吟味されます。
こうした会社は、福利厚生は充実していますし、正社員や現場責任者であれば給料も安定しています。
警備員に底辺の仕事というイメージを抱いている人がいることも事実で、執拗に文句を言ってきたり、苦情を押し付けられるといったケースも稀にあります。
しかし、施設の安全、人の命を守る責任ある仕事をしているのが警備員です。そういった少数の人が抱いているイメージを気にする必要もないですし、気にしていない警備員の方がほとんどです。
警備員の転職で失敗しないための方法を解説!
警備員の転職で失敗しないために、転職のコツをまとめました。
会社の評判を調べる
ネット上の口コミサイトで会社の評判をある程度掴むことができます。
警備の仕事では、研修なしでの現場派遣は違法行為に当たります。ただ警備業法に違反しても指示処分で済んでしまうことが一般的、そのまま営業している会社も多いのです。悪徳な警備会社を避けるためにも評判のチェックは重要です。
雇用条件を確認する
給与体系など、雇用条件をしっかり確認しておきましょう。質問したのに、説明を濁された場合は要注意です。
昇給の条件などもクリアにしておくことがおすすめです。なお、警備会社の場合、ボーナスがない会社が多いことは把握しておいてください。
一般的には、準社員で時給制、社員で月給制となることが多いです。リーダーや現場責任者になった場合や勤続年数を重ねた場合に昇給が見込めます。
夜勤があるか、頻度はどれくらいか把握する
夜勤を望まない方が多いかとは思いますが、夜勤の仕事を割り振ることが前提の会社もあります。
ただ勤務時間は面接で相談可能ですし、夜勤を望まない場合は考慮してくれます。
福利厚生・研修制度が充実している会社を選ぶ
やはり大手の警備会社は待遇が良い傾向にあり、福利厚生も充実しています。ただ未経験からの転職は難しく、数年の実務経験を積んでから目指すのが現実的です。
そこでおすすめなのが、最初の警備会社は研修制度が整った会社を選ぶという観点を持つことです。
資格取得の支援制度は、会社によって差があります。再就職に役立つ資格が取得できそうな会社を選ぶと良いでしょう。
規則や理念から社風を知る
会社の規則や理念から社風を知ることで、仕事内容の大変さや自分に合っている会社かを判断することができます。
制服の着用規定など会社の規則が厳しい会社は一見大変そうに思えますが、やる気のある人や責任感のある人が多く、リーダーや現場責任者になった場合にマネジメントしやすいのでおすすめです。
転職前に警備の仕事を体験する
転職希望時期までに余裕がある方にぜひおすすめしたいのが、転職前に警備員のアルバイトです。実際に業務に当たることで、自分に合っている仕事なのか判断しましょう。
単発で休日の募集もあるので、仕事をしながらでも経験できます。勤務した警備会社に転職を考えていることを伝えれば、そのまま採用してもらえる可能性もあります。
警備員になるにあたっての注意点を知っておきましょう!
警備員に転職するにあたっての注意点をまとめました。
余裕をもって転職活動をする
これまで述べてきたように警備は仕事の種類も会社の待遇も様々です。情報収集をしっかり行い、余裕をもった転職活動が理想的です。
転職の軸を決めておく
転職するに当たって重視する点は、給与、勤務時間、やりがい、社風のうち何なのか。
転職の軸、優先順位を決めておくことは、後悔のしない転職に近づきます。
警備員のデメリットを把握する
転職してから後悔しないように、警備員のデメリットを知っておきましょう。
まずは体力的なきつさです。ある程度の対策はできるものの、暑さや寒さに耐えなければならない現場もあります。
また、見落としがちな点が仕事の単調さです。警備員を辞めてしまう方の中には、変化のない同じ風景を見続けなければならないことに耐えられなかったと言う人もいます。
仕事が減ってしまうことが稀にあることを知っておきましょう。時期によって、また会社によって、警備の案件を回してもらえなくなってしまうケースがあるのです。
警備員の給料はどれくらい?年収を上げる方法とは?
そもそも警備員の一般的な給料、年収はどれくらいなのでしょうか。中途採用の正社員であれば、300万円台が目安になります。
そこからどのように年収を伸ばしていくべきなのか、その方法をまとめました。
夜勤手当を利用する
夜勤では時間ごとに夜勤手当がつくことが一般的です。ただ、夜勤手当は給与にふくまれているなど夜勤手当が無い会社もあるので注意が必要です。
資格を取得する
資格の取得は年収アップに確実な方法です。
資格手当がもらえるだけではなく、資格を持っていることにより転職先の選択肢が広がるので、結果的に年収を伸ばすことにつながります。
勤務時間を増やす
時給制の場合や残業が可能な場合に勤務時間を増やせば給与はアップします。多くの警備会社は人手不足なので勤務時間は増やしてもらいやすい傾向にあります。
また泊まりの仕事の場合は、休んでいる時間が多い割に給与はしっかりもらえるということで積極的に活用している警備員も多いです。
リーダーや現場責任者になる
昇進したり、リーダーや現場責任者になったりすれば、収入は大幅に上がります。
警備員が向かなかった時の再就職が心配!
「警備員からの他の職種への転職は難しい」という噂を聞いたことがあるかもしれません。警備員が向かなかった時のことを考えて、再就職のことを心配する方は少なくないのです。
警備員の職歴は異業種の転職に関して有利にも不利にもならないというのが現実です。
ある程度警備員として勤務した経験があれば、体力や忍耐力があること、長時間勤務や夜勤が問題ないことの証明にもなるので、アピールポイントにすることは可能です。
警備員に転職した人の評判・体験談を集めました!
警備員に転職し、実際に働いている人の評判・体験談を集めました。
30代男性
50代男性
40代男性
40代男性
60代男性
警備員の選考のコツを解説!どんな転職理由・志望動機が正解?
本当の転職理由・志望動機は、「年齢を重ねていても転職が可能そうだったから」「未経験でも募集をしていたから」という方が多いかもしれません。
もちろんそれを面接官に伝えても問題ありませんが、プラスアルファのアピールポイントがあると良いでしょう。
モチベーションの高さを伝える
まずは、警備の業務自体に魅力を感じている点を挙げてみましょう。
「地域へ愛着を持っているのでその安全を守ることにやりがいを見出せる」「人の役に立っていることを実感できる仕事だから」など自分なりに警備の仕事でモチベーションになりそうな理由を考えてみましょう。
体力があることをアピールする
長時間の勤務や夜勤がある警備員ですから、警備会社は十分な体力があるのか心配しています。
以前体力的に大変な職場に勤めていたのであればそこでの経験を伝えても良いですし、ランニングなど個人的に体力維持のために行っている習慣を挙げることもおすすめです。
コミュニケーション能力があることを示す
訪問者への対応や社員との挨拶など以外とコミュニケーションが求められるのが警備の仕事です。
稀にあるクレームをうまく処理してくれる能力や、揉め事が起きそうになった時に抑える能力があれば、警備会社にとってありがたいのは言うまでもありません。
面接でコミュニケーション能力があることを示すのは前提として、接客業の経験がある場合などは現場でうまく立ち回った経験を語ることができればなお良いでしょう。
条件の良い警備員の求人を見つける方法は?
アルバイトと正社員に分けて、条件の良い警備員の求人を見つける方法をご紹介します。
警備員のアルバイトを経験してみる
警備員の仕事が向いているのか自信がない方や、時間に余裕がある方は、まずは警備員のアルバイトを経験してみるとよいでしょう。
実際に警備員を体験してみることで自分に合っているのか、どんな仕事なのか理解することができます。
また、アルバイトなら単発のものや週1勤務のものがあるので手軽に始められます。
転職のプロに優良な警備会社を紹介してもらう
警備員に転職しようとしている方は、「どのように警備会社を選べば良いのか分からない」「きつい現場に配属されたくない」など、多くの疑問や不安を抱えていると思います。
警備員の正社員求人を探す際には、転職エージェントを利用すると失敗しにくいです。
転職のプロがサポートしてくれるので、初めての職種にチャレンジする方も安心です。
転職エージェントは、インターネット上にはない優良な非公開求人も保有しています。求人数が豊富なので、希望の給与や働き方に沿った求人も見つけやすいです。
警備員求人を豊富に保有している転職エージェントをご紹介します。
警備員への転職についていただいた質問
レイズキャリアでは、転職やキャリアに関する質問を随時受け付けております。警備員への転職についていただいた質問とその回答をご紹介いたします。
警備員の面接ではどのようなことを聞かれるのでしょうか。
(50代男性)
警備会社の採用担当者は、多少体力的に大変でもすぐに辞めないか、警備員として不適切な要素がないかという判断基準で面接を行います。そのため、前職の退職理由や通院歴などを聞かれることがあります。また、犯罪歴やなんらかの中毒ではないか、反社会的勢力との関係に関しては必ず調べられますし、素直に申告しなければなりません。場合によっては家族構成や家族の勤務先が聞かれることもあるようです。
警備員として就職したのですが体力的に過酷で2週間ほどで辞めてしまいました。この経歴は履歴書には記載せず、施設警備の仕事を得るために転職活動をしているのですが、前職のことがバレることはあるでしょうか。
(40代男性)
各県の警備会社はつながりが強いという特徴があります。多くの警備会社は警備業協会に加入しており、情報交換も頻繁に行われているのです。また現場で同じ管制官に当たってしまうという可能性もあります。同じ県で転職活動をするのであれば経歴を正直に伝える、もしくは他の県で就職先を見つけることをおすすめします。
警備員には、元警察官や元自衛隊員が多いというのは本当ですか。
(40代男性)
統計データがないため正確な数値を把握することは困難ですが、割合としてはそこまで多くないでしょう。元警察官は身元がしっかりしているため警備会社からの紹介がある、警察官時代の経験が評価されて採用されやすいという事情はあります。ただし、様々な業界から警備員に転職されている方がいますので、前職をそこまで気にする必要はありません。
警備会社を何社か受けたのですが、なかなか受かりません。女性だと警備員として就職するのは難しいのでしょうか。
(40代女性)
女性を多く受け入れている警備会社がある一方で、男性ばかりの警備会社もあります。後者のような会社ですと、男性用更衣室しかないなどの理由で女性の採用を見送る場合あります。しかし近年は女性警備員の需要も増えています。特にショッピングセンターなどの施設警備では女性が好まれる傾向があります。女性を積極的に採用している警備会社も増えているので、そうした会社を探してみましょう。